- 著 今日泊 亜蘭
- 販売元/出版社 朝日ソノラマ
- 発売日 1980-06
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大人が読んでも楽しめるジュブナイル小説もあるけれどもそんなものはごく少数で、分別のついた大人が読むと楽しめないものが大半だ。
で、どちらが素晴らしいのかといえば、大人が読んで楽しいかどうかなんてのは判断基準にするべきではなくって、やはり子供が読んで楽しい物が一番なのだと思う。
『怪獣大陸』はどうかといえば、分別のついた大人が読むと確かにつらいものがあるのだが、子供の頃に読んだらさぞかし面白かっただろう。というわけで子供の頃に読んでおかなかったことをちょっと後悔した。
では、大人になって読んだら駄目だったのかというとそれほど駄目だったわけではなく、まあ要するにご都合主義が大手を振って歩き回っている展開にちょっとげんなりしてしまったのと、大人も子供もべらんめえ調でしゃべるのにちょっと違和感を感じたくらいだった。
まあ後者に関していえば、それが今日泊亜蘭の特徴なのだから、それが駄目というのは今日泊亜蘭ファン失格なんじゃないかという気もして落ち込みそうなんだけれども、体調が悪かったということにしておこう。
とりあえず後者の件は気が付かなかったことにして前者の件に関していえば、とにかく主人公がピンチに陥るとUFOが飛んできて謎の宇宙人が、「われわれは君たちの味方じゃないけれども今回は助けてあげよう」などといって助けてくれるのだ。
で、この謎の宇宙人達が何者なのかといえば最後までわからないままなのだ。メインとなる話にも全く関係してこない。
もうまさにご都合主義の固まりというかデウス・エクス・マキナのようなものとしかいいようがないのだが、そこはおそるべし今日泊亜蘭。完全に成功しているとは言い難いのだが最後の最後で謎の宇宙人の存在をこの物語のテーマとを結びつけて必然性を与えてしまうのだ。
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