『ヘンシン』ケン・ニイムラ

  • ヘンシン
  • 著: ケン ニイムラ
  • 販売元/出版社: 小学館
  • 発売日: 2014/3/28

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漫画に関しては僕は単行本派なので漫画雑誌というのを買わないのだが、最近はWeb上で連載する漫画も多くさらにはWebの場合は無料の場合が多いので、読者としては新作漫画をチェックするには申し分ない、いい時代になったともいえるのだけれども、無料で読むことができるからといってWebで掲載されている漫画まではチェックしないのはそこまでする時間が無いというのが一番の理由だろう。
というわけでケン・ニイムラが日本のWeb雑誌で漫画を連載していたことも全く知らなくってさらにはその連載がまとまって一冊の本になったことも知らなかった。で、知ったのは4月1日になってからだ。
もう一日早く書店に行っていたら5%の消費税で買うことが出来たのに一日違いで8%の消費税を支払うはめになってしまったことを一生忘れないだろう。
そもそも、本好きにとって消費税というのは厭な思いでしかなく、初めて日本で消費税が導入された時のことは、当時のことを知っている本好きにとっては忘れもしない厭な記憶のはずだ。あれのおかげでいきなり絶版にされてしまった本がどれだけあることやら。
で、それはまあともかくとして、ケン・ニイムラの新作は短篇集。前作の雰囲気というか前作における作者の登場人物に対する視点が同じ物語もあれば、作者を主人公にしたエッセイ風の漫画もあり、さらには予想外に毒のある物語もある。そもそも第一話からして意表をついていて、登場人物の一人、主人公のおじさんとそのおじさんの意外な正体はちょっと卑怯でもある。ここで終わりなのかというところで第一話は終わってしまうが、最終話がこの話の続きとなっていて、何があったのかは明確には描かれはしないのだけれども、その何かの上澄みの部分をすくい取って描かれないその下の部分を感じさせる物語になっている。
今度は単独の長編が読みたいな。

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