- 著 川西 蘭
- 販売元/出版社 ジャイブ
- 発売日 2007-11
自転車レースというのはそれほど興味が無いはずなのに、『め組の大吾』繋がりで、曽田正人の『シャカリキ!』を読んだし、自転車に魅せられた少年と、パワフルお婆さんの物語である『ベルヴィル・ランデブー』も観た。実用自転車による本州縦断レースを扱った『銀輪の覇者』も楽しんで読んだし、近藤史恵の『サクリファイス』も面白そうだから読んでみようかななどと思っている始末。
『Field、Wind』に所収された川西蘭の「風を運ぶ人」も面白かったのだが、同じ作者による『セカンドウィンド』も自転車競技を扱った話でしかも「風を運ぶ人」と同じ設定だということで早速読んでみることにした。
知らず知らずのうちに自転車競技に対しての知識が身についてしまっているせいか、いろいろなことがよくわかる。いやわかるのは作者の書き方がうまいからであって、自分の知識のあるなしとは無関係なのかも知れないが、読んでいて楽しいのである。なんだかいっぱしの自転車競技通のような感じさえしてくる。
じっくりと書き込んであるので、まだ本格的な自転車競技までは話が進んでいないのだが、だからといってむやみに展開が遅いわけでもなく、このさじ加減も絶妙で、主人公たちのこの物語がどのような展開へと進んでいくのか非常に楽しみなのである。
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