ぼくたちのアニメ史

ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書 587)

  •  辻 真先
  • 販売元/出版社 岩波書店
  • 発売日 2008-02

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辻真先のアニメ史といえば、過去に『TVアニメ青春記』があり、おまけに岩波ジュニア新書というレーベルなのでそれほど濃い内容ではないだろうと高をくくっていたら驚いた。
いや、軽くみていた自分に猛省を促し、申し訳ありませんでしたと謝りたくなった。
確かに『TVアニメ青春記』と比べれば中身は薄いし資料的な価値も乏しいのだが、だからといってけっして手を抜いているわけではない。さすがは『デビルマン』は当たり前として『一休さん』や『魔女っ子メグちゃん』においてさえトラウマになりそうな酷い話、もとい、厳しい現実を描いた辻真先である。
『TVアニメ青春記』と重なっている部分もあるのだけれども、予想以上に重なりが少なく、『TVアニメ青春記』で語られた以降のアニメにもかなり言及されているのでお得感も倍増なのだ。
で、ついつい比較してしまうのが小松左京の『SF魂』と『小松左京自伝 実存を求めて』だ。
こちらの方は聞き語りというせいもあってか内容に重複が多く、しかも小松左京自身からも往年のパワーが消えてしまっている。辻真先の方が一歳年下とはいえ、あまりの違いに愕然としてしまい、自伝など書いている暇があったらもっと他にやることがあるだろうと言いたくもなるのだが、停滞していた小松左京がようやく動き始めたのだと思うことにしよう。

コメント

  1. 『ぼくたちのアニメ史』 辻真先

    かつてのアニメ脚本の第一人者である作者が、自身が携わった作品の思い出話も交えながら、我が国のアニメーションについて語った岩波ジュニア新書の一冊。
    劇場アニメもTVアニメも等しく取り上げている本と言うのは、実は珍しいんじゃないかと思う。”アニメ史”というと大概は劇場アニメ中心だったり、あるいは商業アニメを除外して実験作品や芸術性の高いものばかり取り上げているという印象がある。
    『くもとちゅうりっぷ』、『サイボーグ009』、『太陽の王子ホルスの大冒険』、『鉄腕アトム』、『オバケのQ太郎』、『巨人の星』、『ルパン三世』、『宇宙戦艦ヤマト』、『サザエさん』、『AKIRA』、『機動戦士ガン…

  2. ぼくたちのアニメ史:日本の文化です

    今日も日本の文化に関する本です。 「ぼくたちのアニメ史」。 雑学に分類すること…

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