『惑星9の休日』に続く、町田洋の二作目。
今回は全四話と話数が少なくさらに四話目はおまけと言っていいほどページ数が少ないので実質的には三話なので一つ一つの話が長めの短編となっている。「夜とコンクリート」と「発泡酒」は叙情的でオチのある話ではないけれどもこういう話も悪くない。「夏休みの町」と「青いサイダー」は先の二作と比べると長めの話で読み応えが十分である。「青いサイダー」は当たり前のように描かれている不思議な現象が実は巧妙に構成されていたことに気付かされる終盤に思わずハッとさせられてしまった。
余分なものをとことん削ぎ落したかのようなシンプルな線によって描かれる町田洋の世界は前作と同様であり、一話の長さが長くなってもその心地よさは揺るぎない。
シンプルな線でありながらも話によってその線のタッチというか線の描き方を変えていて、ある話では人間も物も直線で描かれていたり、ある話では全ての物がフリーハンドっぽい感じで描かれていたり、それらがその物語で描かれる内容とマッチしているかというとそれほどマッチしているわけでもないけれども、本の少しだけ感じられる違和感のようなものが、町田洋が描く静かな物語に対する微かなノイズのような味付けとなってより一層、味わいを際立たせている。
『夜とコンクリート』町田洋


コメント