魔女の隠れ里

魔女の隠れ里 (講談社文庫 は 78-4 名探偵夢水清志郎事件ノート)

  •  はやみね かおる
  • 販売元/出版社 講談社
  • 発売日 2008-01

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都筑道夫に挑んだのか、木をまたいだシュプールの謎が登場する。
スキー場におけるこのような光景は絵的にには素晴らしいんだけど、都筑道夫の他にもたがみよしひさが挑戦していたりして前例があるので、こんな現象不可能じゃないし、なんか仕掛けがあるんだろうなと思ってしまうあたり、謎としては賞味期限切れといった感じかな。
さらには、これを発端として次々不思議な謎がまき起こるのだろうと思っていたのだけれども、シュプールの謎が解けたら第一部があっさりと終了。幕間をはさんで第二部が始まるんだけれどもこれは第一部とは全く違う事件で、変な構成だなあと思っていたら第二部を読み終えたらその構成の妙に感心してしまった。ああ、確かにこの構成じゃないとだめだよなあ、今回の話は。
しかしそれ以上に素晴らしいのは第二部の内容で、村おこしのために推理ゲームが企画されるのだが、招かれざる客や謎の人物による犯行予告と定番の出来事が起こる。
ゲームがゲームでなくなったとき、普通のミステリならば殺人事件が起こるだろうけれども、殺人事件を起こさないところが素晴らしいのだ。子供向けミステリというであるというのがその理由だろうけども、血なまぐさい事件を起こさずにみごとなミステリに仕上げているのだ。
それだけに、この本のみに追加されたあの真相は余分な気がする。まあいやならそこだけ読み飛ばしをすればいいのだけれども。

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