- 著 牧野 修/
- 販売元/出版社 角川書店
- 発売日 2007-11
『夜を買いましょう』と比べるといかにもケータイ小説らしい文体で、ようするに1センテンスあたりの文字数が少なく、改行が多い。もっともそれだけがケータイ小説の特徴だというわけでもないのだけれども、一頁に文字がみっしりと詰まっていた方が得した気分になれるみみっちい精神の持ち主としてはなんとなく損した気分なのである。だったらライトノベルもそうじゃないかというかも知れないが、ライトノベルはまあそういうものだと割り切れている部分もあるし絵が付いているのでその分が差し引きゼロといったところで、さらに今のところページ下半分が真っ白などというレベルものにはぶちあたっていない。『ラビオリ・ウエスタン』のような一頁まるごと改行無しなどという作品があったりする。
そんなわけだから、多島斗志之の『海賊モア船長の遍歴』のように文庫でありながら二段組にしてくれれば良かったのにとも思ったりする。
まあそんなことはともかく内容の方に移ろう。
○○ダイバーといえば真っ先に思いつくのが人間の精神に潜るサイコダイバーだが、まさか死の世界に潜るなんて設定が登場するとは思わなかった。
もっともそこで行われていることといえば、成仏出来ない幽霊を退治するということであって特別新しい物ではないのだが、物語世界という概念が登場したり、登場人物の一人がアニメオタクだったりするところはいかにも牧野修らしい設定。
で、成仏出来ない幽霊をどうやって退治するのかといえば棘の生えたブラックジャックでグシャリと撲殺するのである。あくまで牧野修の世界なので愉快痛快とはほど遠く、かといって牧野修節炸裂とまでは行かないのだが、ごく普通に楽しい。
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