最終戦争

最終戦争

  •  今日泊 亜蘭/
  • 販売元/出版社 早川書房
  • 発売日 2000

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一昨年、アメリカSF界の長老ジャック・ウィリアムスンが亡くなったとき、日本SF界の長老である今日泊亜蘭のことが頭によぎった。1910年生まれなのだらかもうかなりの歳である。ひょっとしたら1912年生まれなのかもしれないが。
小説に関していえば、『我が月は緑』が今のところ最後に発表された作品で、その後は沈黙を守ったままなのであるが、今日泊亜蘭と同じ年に生まれた双葉十三郎が今でも現役であることを考えると、現実的にはほぼあきらめているとはいえ『光の塔』『我が月は緑』に続く第三部が書かれることを期待しているのである。
子不語の夢―江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』に寄せたコメントや、最相葉月の『星新一 一○○一話をつくった人』のコメントを見る限りではまだまだ元気そうなんだけどね。
大半は20ページに満たない短い話で、ショートショート集と言っても、今日泊亜蘭に言わせればコントだと言うかも知れないが、過言ではなく、意外とバリエーションも少ないので単調になってしまう部分も多いのだけれども、長めの話になるとシリアスな内容にもなりやはり面白い。
まあ何が面白いかといえば、SF的なアイデアとかそういうレベルの部分ではなく、この人独特の文体であり言葉使いが読んでいて気持ちいいのである。

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