- 著 ジョン・シャーリー/
- 販売元/出版社 エンターブレイン
- 発売日 2007-11-02
名前だけは知れ渡っているのに翻訳に恵まれない作家がいる。ジョン・シャーリーもその中の一人だが、彼の場合はおそらく日本におけるサイバーパンクブームに乗り遅れてしまったせいだろう。
そんなわけだから彼の書いたサイバーパンク三部作なんて翻訳される可能性なんてほとんど無いだろう。もっとも、スターリングの『塵クジラの海』が翻訳されたことを考えると全く可能性が無いわけでもないけれど……
だからといって翻訳が全くなかったわけではなく『コンスタンティン』なんていうノベライズがあったわけで、今度はバットマンだったりする。もはやノベライズ作家という位置づけだ。
アメコミや映画とは違った趣があって、これはこれで面白いんだけど、『バットマン・ビギンズ』を活字にした感じが近い。
超人ではなくあくまで生身の人間であり、紙一重のレベルで拳銃の弾をよけているという感覚がよく判る。で、必ずしもよけきっているわけではなく弾に当たっていて、怪我さえしているのだ。アメコミや映画では描けなかった部分が楽しい。
が、それを除けばわざわざ活字として描く必要があったのかというとはなはだ疑問なのだが、ノベライズであることを思い出しさえすれば、これはこれでごく当たり前のことをしているだけなのである。
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