- 著 山野 浩一/
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 1975-09
250ページあまりと薄い本なんだけど、あとがきを読んでびっくりした。
銀背のハヤカワSFシリーズで出ていた本の文庫化であるが、文庫化にあたってこのままでは厚すぎるので何編か割愛したと書かれているのである。
一瞬、『啓示空間』や『カズムシティ』の編集者に読ましてやりたい言葉だと思ってしまった。
もっとも、実際に『啓示空間』や『カズムシティ』がこの本なみの薄さで分冊されてしまったとしたら、それはそれで嫌なんだけどね。
それはともかく、ニュー・ウェーブ運動の旗手と呼ばれただけあって、確かにニュー・ウェーブらしい話が多い。ちょっと苦手意識があって今まで敬遠し続けていたんだけど、読んでみるとこれがかなり面白い。
ニュー・ウェーブといってそれほど難解でもないし、ニュー・ウェーブなんてものを意識しないでも楽しめる話もあって、バラードというよりもディッシュに近い感じだ。ディッシュも短編集が出たくらいなのだから今ならば再評価されてもおかしくない気がする。
東京創元社で復刊しないものかなあ。作者のサイトによれば短編集を出す企画があるらしいのだが。
ところで、金城一紀の『レヴォリューションNo.3』は山野浩一の「レヴォリューションNo.1」「レヴォリューションNo.2」から取っていると思っているのだが、やっぱり違うのだろうか。
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