- 著 マイクル・ムアコック/
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2007-09-06
エルリック新三部作の冗長さにげんなりして、永遠の戦士シリーズはひとまずこれでお終いにしようと思っていたんだけど、意外と薄くってしかも永遠の戦士らしい部分が少ないということだったので読んでみた。
で、読んでみると確かに永遠の戦士らしくない。ルシファが神と和解しようとしていたり、主人公がルシファに連れられて地獄へ行っても、恐れおののくわけではなくあくまで冷静に地獄の分析をしてみたりするあたりはなかなか自分好みの展開。
なんだかんだいって結局はルシファに頼まれ、世界の痛みを癒すといわれる聖杯を探す旅に出るわけだが、新三部作でも悪役だったクロスターハイム、もちろん祖先の方だが、彼が登場して、やっぱり主人公と敵対する。その理由というのが、神と和解してしまうと地獄がなくなって困ってしまうルシファの僕たちの叛乱というあたりは主人公たちには申し訳ないが愉快なところだ。
しかし、ムアコックの事だからさぞかし皮肉的、しかも意地悪な結末を迎えることだろうと思っていたら、拍子抜けするほどまともというか、主人公にとっては幸せな結末を迎えたので驚いたよ。聖杯の謎に関してもけっこうしっくりとくる真相で、これもまた良かったなあ。
コメント
あーこれ入院中に暇だったので期待して読みました
タイトル買いで「世界の痛み」というぐらいだからBADENDを期待してたので
ボク的にはガックリでした
内容は別に悪くなかったんですがボクが変な期待を抱きすぎちゃったんですね・・・
ムアコックは名前だけは聞いたことがあって、これがボクとムアコック作品の初対偶になるわけですが
こんな気持ちで読破してしまって少し残念
他の作品はどうなんですかね?
私もそれほど読んでいるわけじゃないのですが、ムアコックの作品のほとんどは悲劇的だそうですから、BADENDを期待して読んだのがこれだったというのは引きが悪かったようですね。
単発のものであれば『白銀の聖域』なんかはBADENDでけっこう面白かったですよ。