- 著 久住 四季/
- 販売元/出版社 メディアワークス
- 発売日 2007-08
評判のいい『トリックスターズ』の方は、読んでみようかと思っているうちにシリーズ化してしまいどんどんと続きが出てしまったので読む気力が減少してしまったのだが、今回はそれとは別の新作ということ、なおかつ題名に「クロノ」と付いているだけあって「時間」を扱ったミステリ物のような気配がするので読んでみることにした。
で、読んでみるとなんだか物語の基本設定部分のところで話が延々と続き、事件らしい事件はなかなか起きない。ひょっとして最初からシリーズ化を想定しているためにのんびりと構え、今回は物語導入編というレベルで終わってしまうんじゃないのかと思ってしまったぐらいだ。
とにかく我慢に我慢を重ねて読み続けているとようやく事件が起こった。しかし事件が起こったのは200ページほど来た時点で、残りのページは100ページも無い。しかも事件というのは時間操作出来るとあるアイテムが何者かに盗まれてしまったというだけの代物だ。もちろん登場人物にとっては重大な出来事かも知れないけれども、まだかまだかと事件が起こるのを待ちかまえていた身としては、愕然とするくらいに小さい事件である。しかも残り100ページで解決しなければならないのであるからして、そこにある謎は短編レベルの謎であるか、もしくはもの凄い速度で解決してしまうかのどちらかである。
それにしても主人公の超人的な推理力にはまいってしまった。事件が起きて速解決である。もちろん描かれていない時間の経過は存在するのだけれども推理の溜めという物が存在しない。まあ今回は物語導入編であったということにしておきたいのではあるが……
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