- 著デイヴィッド・マレル
- 販売元/出版社 ランダムハウス講談社
- 発売日 2007-05
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デイヴィッド・マレルって読まず嫌いだったんだけど、『贈る物語Terror』で「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」を読んで、こういう話だったら読んでもいいなあと思ったので、この本も読んでみることにしました。
なかには身も蓋もない話もあったけれども、大学でエルビス・プレスリーをテーマにして講義を始めた教授がだんだんエスカレートしていってコスプレまでし始めて……という「エルビス45」なんて、どんなオチになるのかと思ったら最後の最後に大暴走して、さすが『ランボー』の原作者だけあるよなあと思いましたよ。
連続殺人犯に娘を殺された父親の話である「何も心配しなくていいから」なども、あまりにも唐突すぎるというか父親の妄執に近い執念の話かと思っていたのでラストに唖然。
かと思えば現代医学では治療不可能な重傷を負った父親を治療可能な時代になるまで冷凍睡眠させる「復活の日」などは不意打ちをくらってしまったくらいに良い話で、その話の展開に思わず感動してしまいました。なまじ、著者による前書きで、作者自身が息子を亡くしているということを知っているだけに、息子から父親へとバトンタッチした後の展開は卑怯なくらい良いよなあ。
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