エデンの黒い牙

エデンの黒い牙

  •  ジャック・ウィリアムスン/
  • 販売元/出版社 東京創元社
  • 発売日 2007-05

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遙か大昔、あまりにも強力すぎるので封印されてしまった魔法があった。
月日が流れ、一人の皇帝が世界征服をもくろむ。そして世界は戦乱の渦にまきこまれた。
そこでこの魔法の封印を解き、皇帝を倒そうとしたのだが、この魔法の威力は思っていたほど強くはなかった。
魔法技術の未発達だった大昔は強力だったけれども、魔法技術が発達した現在では既に時代遅れとなってしまっていたのだ。
というような設定のゲームが昔ありました。
この本を読み終えて思い出したのが、このゲームのこの設定。さすがに60年近く昔に書かれた本です。書かれた当時は危険だったのかも知れませんが、時の流れというものは情け容赦ありません。
もっとも、危険じゃないからつまらないかといえばそんなことはないし、そもそも危険だから面白いというわけでもありません。
それにしても驚くのは物語の展開の早さです。こんな早い段階でこんな展開をしてしまっていいのかと思うくらいにスピーディ。おまけに怪しげな人物は登場した瞬間から既に怪しく、あまりにも怪しすぎるのでひょっとしたら怪しそうに見えて実は怪しくない人物なのではないかと裏の裏を読みたくなってしまうのですが、そんな複雑なキャラクター設定などなく、怪しい人物はやっぱり怪しいのです。
文章を軽くし、いわゆるラノベ文体にしてしまえばライトノベルとしても立派に通用してしまうんじゃないのかとも思えるこの話、歴史は繰り返すのか、いやそれはともかくジャック・ウィリアムスンって凄いなあと思いましたよ。

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