- 著 神楽坂 淳/
- 販売元/出版社 徳間書店
- 発売日 2007-04-17
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ここのところ長い話ばかり読んで来たので何か短くって何にも考えずに楽しめる本がないものかと思ったところで、タイミング良く出版されたので読んでみることにしました。日本版『プリティ・リーグ』かなといったところで。
時は大正十四年、ふとしたことで男子と野球の試合をすることになった主人公たち女学生。しかし彼女たちは野球などしたこともないどころか見たこともない。もちろんルールも知らないし道具も無い。さてどうするのか……。
というところで、大正時代の雰囲気もそれなりに出ているし、それなりに悪くはないのですが、特訓のために大リーグ養成ギプスみたいなものを作ってしまうは、スパイクシューズや金属バット、はたまたピッチングマシーンまで作ってしまうところまでいくとちょっと興醒めしてしまいました。
まあ、そこまでしないとまともに戦うレベルに到達しないとわけでやむを得ないのだけれども、もう少し違うところで勝負をして欲しかった気持ちもあるというのはやっぱりそれだけ期待をしてしまったからです。
もっとも肝心の試合は次巻へと持ち越しなので、終わりよければ全て善しとなってもらいたいものですが、金属バットを使っても相手チームは何にも言わないところをみると、ちょっと期待感を下げた方がいいのかも。もっとも金属バットやスパイクなど、この時代に存在するはずもなかったアイテムが歴史の闇に消えてしまった理由などがしっかりと説明されていたとしたら絶賛したいところです。
偏奇館先生こと永井荷風が登場しているあたりは何かの伏線でもあるのかな。
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