- 著 野尻 抱介/
- 販売元/出版社 早川書房
- 発売日 2007-02
Amazon/Bk1/楽天ブックス
なんだかどんどん文章が簡素化していくような気がする。
必要最低限度の描写だけで、ある意味非常に素っ気ない文章でもある。本当は小説を書くのが大嫌いなんじゃないのかとも思いたくもなる。まあ、取材は好きだけど小説を書くのは嫌いだなどということを発言していたりするので、ひょっとしたら本当のことかも知れないけれども、それはともかく、文章が素っ気ないからといって手を抜いているわけではなく、必要な手続きはしっかりと織り込んであるから読んでいて楽しい。
そういった点では、どんどんとアーサー・C・クラークに似ていっているよなあ。本人はいやがっているのかも知れないけれども。
「轍の先にあるもの」なんてSFマガジンのクラーク特集の時に掲載されたやつなんだけれども、だからというわけではないが、これってクラークの書く文章だよなあ。
しかし、最大の難点は、クラークはもう書くことがないといって断筆宣言しちゃった後でも、書くことが出来たといって書きまくっているのに野尻抱介はどんどんと小説を書かなくなってしまっていることだ。
とりあえずそこのところだけはクラークを見習って欲しいものであるといいたくもなる。
コメント