亡霊は夜歩く

亡霊(ゴースト)は夜歩く
亡霊は夜歩く
はやみね かおる
前作はちょっと物足りなさがあったのだけれども、今回は前作の物足りなさを補ってお釣りが来るくらいでした。
今回の舞台は学校、そして文化祭の季節。なんといっても文化祭ですよ、文化祭。主人公たちの通う学校は、文化祭のための準備期間が五日間もあり、しかもその期間は授業無し。おまけに前夜祭までついているというなんとも素晴らしい学校。そんなわけですから事件と平行して文化祭の準備の様子がみっしりと語られるわけですよ。いやこれが読んでいて実に楽しい。
で、肝心の事件の方はといえば、これまた島田荘司ばりの豪快なトリックがあったりして、そこまでするかという気もしたりするんだけれども、そのあたりは作者のサービスということでさておき、動機の方は前作と同様、読んだ子供たちが考えされられるような、ある種の教育的な面もあって、手抜かりはありません。
そういう意味では贅沢な作りな作品で、こういう話を子供の頃に読むことができた人たちがうらやましいものです。

コメント

  1. A・T より:

     この本は百回くらい繰り返し読みました(笑)。当時、僕は小学五年生でして、この本と『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』のせいで、中学校の文化祭に異様な憧れを抱いたものです。現実の文化祭はそんなに楽しいものではありませんでしたが・・・・・・(高校は楽しかったけど)。現実とフィクションはやっぱり区別しなけりゃならないということを、現実の校則というもののつまらなさと共に、ひしひし感じたものです。
     ところで、ドラマ版の夢水清志郎は和泉元彌が、亜衣と真衣をマナ・カナが演じてました。『双子探偵』という題名で、こちらもなかなか好きで、毎週見てました。

  2. Takeman より:

    小学生で楽しい文化祭の話を観たり読んだりしてしまうと、期待感がたかまってしまうのも無理はないですよねえ。
    そう考えると、この本もちょっと罪作りな本かも知れませんねえ(笑)
    このシリーズ、ドラマになっていたのですか。それは知りませんでした。
    夢水清志郎が和泉元彌ってところが合っているんだか合っていないんだか微妙な感じもするんですが……

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