野尻 抱介著
野尻 抱介著
野尻 抱介著
<クレギオン>シリーズが復刊したのだからこちらも復刊するだろうと思っていたら、アニメ化に合わせて復刊してくれました。
宇宙飛行士というのも馬のジョッキーと同様、軽ければ軽い方がいいし、小さければ小さい方がいい。ということで小さくて軽い女子高生を宇宙飛行士にしてしまうという設定は非常に理に適った設定なのだけれども、どこかで何かが間違っているという気もしないでもない。
一番目立つ設定ではあるけれども実際のところはそれだけで成り立っているわけではなく、高性能な新型燃料とスキンタイトスーツという二つのガジェットが日本初の有人宇宙船を支えている。しかし、次々と起こるトラブルも含めて多分にご都合主義的な部分もあって、真面目な話を期待していると肩すかしを食らってしまう。
しかし、しかしだ、窮地に陥った主人公を助けるためにロシア人宇宙飛行士が次のセリフを言う。
宇宙飛行士というのも馬のジョッキーと同様、軽ければ軽い方がいいし、小さければ小さい方がいい。ということで小さくて軽い女子高生を宇宙飛行士にしてしまうという設定は非常に理に適った設定なのだけれども、どこかで何かが間違っているという気もしないでもない。
一番目立つ設定ではあるけれども実際のところはそれだけで成り立っているわけではなく、高性能な新型燃料とスキンタイトスーツという二つのガジェットが日本初の有人宇宙船を支えている。しかし、次々と起こるトラブルも含めて多分にご都合主義的な部分もあって、真面目な話を期待していると肩すかしを食らってしまう。
しかし、しかしだ、窮地に陥った主人公を助けるためにロシア人宇宙飛行士が次のセリフを言う。
「我々は君と同じ、誇り高き宇宙飛行士として行動する。下の連中の指図などくそくらえだ。」
燃えるセリフではありませんか。他の全てが駄目だったとしても、このセリフだけで充分と言うものですよ。
で、続編となると、女子高生パイロットも新型燃料もスキンタイトスーツも全てうまくいったという前提の元に書かれているので、前作の設定さえ受け入れることが出来たのであれば期待しても充分な出来となっている。
三人目の宇宙飛行士が登場するが彼女は頭はいいけれども体力が無く、加速度に耐えることが出来なくて途中で失神してしまう。それがどう話に関係してくるのかというと、ロケットの発射シーンに関係してくる。
前作ではあっさりと飛んでしまったロケット発射が今回は丁寧に描かれる。それが加速度に耐えられるのかどうかということに結びつくのだ。いやそれだけで燃えるというものですよというか、個々の設定が全体の構成とうまく結びついていてうまいよなあ。
三作目になるとロケットガールは月へとたどり着くのだけれども、相変わらずのトラブル続き、今回は月で遭難してしまう。ご都合主義的ではあっても、手続きの部分は決しておろそかにしていない作者なので、月での遭難は帰還不可能な絶望的な状態である。
しかしそこを未知の技術や突然完成した秘密兵器などというものを持ち込まず、それまでの設定の中で解決させようとする。
そして、何もないと思われた場所から何かとてつもない素晴らしい物が現れたかのように、あざやかに解決策を取り出すのだ。
で、まあ今更なんでこんな事を書いたのかといえば、四月の刊行予定に「ロケットガール4」が上がったからであります。
コメント