池上 永一著
おお、表紙は五十嵐大介ではありませんか。
で、池上永一の小説としてはかなりおとなしい話に仕上がっている。登場するオバァは権力は持っているけれども化け物じみた存在ではなく、一人っきりになれば読者に人間らしい弱みを見せる。オジィの方も戦闘能力はあるけれども、やはりところどころで人間味を見せる。もっともこれは池上永一の他の作品と比べた場合であって、比べない場合はかなり荒唐無稽、むちゃくちゃな話だ。
暴走していない分バランスよく話がまとまっているかのように見えるし、単純に何も考えなければ面白い話で、そう面白くって楽しいんだけど、何かが足りない。
「バガージマヌパナス」や「風車祭」が沖縄という場所、風土を知らなくっても楽しめたのに対して、この話はある程度の予備知識を必要とするからだろう。いや、知らなくっても前述したように楽しめる。しかし知っていたというよりもむしろ体に染みついていた場合、この物語はもう少し違う景色を見せてくれたんだろうと思う。
で、池上永一の小説としてはかなりおとなしい話に仕上がっている。登場するオバァは権力は持っているけれども化け物じみた存在ではなく、一人っきりになれば読者に人間らしい弱みを見せる。オジィの方も戦闘能力はあるけれども、やはりところどころで人間味を見せる。もっともこれは池上永一の他の作品と比べた場合であって、比べない場合はかなり荒唐無稽、むちゃくちゃな話だ。
暴走していない分バランスよく話がまとまっているかのように見えるし、単純に何も考えなければ面白い話で、そう面白くって楽しいんだけど、何かが足りない。
「バガージマヌパナス」や「風車祭」が沖縄という場所、風土を知らなくっても楽しめたのに対して、この話はある程度の予備知識を必要とするからだろう。いや、知らなくっても前述したように楽しめる。しかし知っていたというよりもむしろ体に染みついていた場合、この物語はもう少し違う景色を見せてくれたんだろうと思う。
コメント
池上永一さん『ぼくのキャノン』
舞台は
デイゴが咲き乱れ
心地よい潮風の吹く
美しい沖縄の村
ただ一つ
守り神が
旧陸軍の九六式カノン砲
という他は、いたって普通の村
主人公は
その村を心から愛する三人の老人
キャノン様をまつる巫女のカマト
隻腕の海人、樹王
天才的盗賊のチヨ
と
その孫たち
村での生活は
カマトの専制(カマトに逆らうと、電気やガス、水道まで止められる)
と
時々起こる
キャノン様のたたり!!!
以外はとても平和で楽しい日々だった
しかしそんな日々は突然
外部からの侵入者によって
掻き乱される
怪しげな地質学者
村の開発を目論む美しき会社社長
彼らの真の狙いとは一体?!!
平和な村を守るための戦いが始まる
筆者は『シャングリ・ラ』や『風車祭』
の池上永一さん
持ち味である
魅力溢れる人物造形
と
躍動感に満ちた文章
またもや私の勉強の手を止めました。
マカトオバァの専制っぷり
や
お色気担当の寿隊など
序盤はコミカルに進行するストーリーですが
終盤、明らかになる村の秘密
は沖縄の悲劇を再認識させてくれます
したたかに
しかし、のびやかに生きる人々が
海からの風のように爽やかな一冊デス