岡本 一広
前巻であれだけのエピソードを持ってきてしまっただけあって最終巻はちょっと失速気味。
もっとも失速といっても前巻に比べればという意味であるし、むしろ、この巻が最大限に盛り上がる巻だとしてとらえるよりも、事実上の最終巻は四巻であって、この巻はエピローグ集だととらえれば全然悪くない終わり方だといえる。
しかし、良い話、泣ける話、感動するエピソードといった部分はさておき、「透明病」が治癒するエピソードが登場したのが驚いた。
そもそも「透明病」という設定自体が科学的に説明を加えようとすると無理のある設定で、その設定部分に触れようとするとかなり苦しくなるのではあったのだけども、完全に透明化してしまった人が治癒してしまうのである。
まあ、細かいことを言えば文句の一つや二つは出るのだけれども、「透明病」という設定そのものが、少女期の不安定な気持ちの揺れ動きをメタファー的な要素として具現化したものでもあったことを考えると、この病気が治ってしまうきっかけは納得できるものであり、非常に危うい設定の中で、ピンポイントでこれ以上ないくらいにうまい場所に着地したとしか言いようがない。
というわけで、最初から最後まで絶妙なバランスを保つことができた奇跡的な作品である。
もっとも失速といっても前巻に比べればという意味であるし、むしろ、この巻が最大限に盛り上がる巻だとしてとらえるよりも、事実上の最終巻は四巻であって、この巻はエピローグ集だととらえれば全然悪くない終わり方だといえる。
しかし、良い話、泣ける話、感動するエピソードといった部分はさておき、「透明病」が治癒するエピソードが登場したのが驚いた。
そもそも「透明病」という設定自体が科学的に説明を加えようとすると無理のある設定で、その設定部分に触れようとするとかなり苦しくなるのではあったのだけども、完全に透明化してしまった人が治癒してしまうのである。
まあ、細かいことを言えば文句の一つや二つは出るのだけれども、「透明病」という設定そのものが、少女期の不安定な気持ちの揺れ動きをメタファー的な要素として具現化したものでもあったことを考えると、この病気が治ってしまうきっかけは納得できるものであり、非常に危うい設定の中で、ピンポイントでこれ以上ないくらいにうまい場所に着地したとしか言いようがない。
というわけで、最初から最後まで絶妙なバランスを保つことができた奇跡的な作品である。
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