小川 一水著
小川一水の小説を読むたびにある種のもどかしさを感じてしまいます。根底を流れる思想というか健全すぎる登場人物に対して拒絶感を感じてしまうのです。それば逆に言えば私の方が不健全な思想の持ち主だからということでもあるわけですが、まあ自分のことは棚に上げておくことにしましょう。
というわけで常々、もう少し不健全さを取り入れてくれれば、今以上に面白くなるだろうなあと思っていたわけですが、今回はいきなり両極端に出てきましたよこの作者。あまりに極端すぎて、助かって欲しいと思う登場人物が一人もいません、サバイバル小説のくせに。
逆に言えば、リアルさを全面に出しすぎてしまって、エンターテイメントとしての面白さを捨てきっています。ある種苦行僧のごとき行いで、作者にとっては次なる一歩の為の実験小説でもあったようですなあ。というわけでSFとしては面白いけれども小説としてはあまり面白くありません。
しかも、作者の気力もエピローグの段階に来てとぎれてしまったようで、読み手としては唖然とする結末を登場人物に迎えさせます。ハッピーエンドにしたい気持ちはわかるのですが、どうやら登場人物を突き放して書ききれないところに欠点があるような気がします。
というわけで常々、もう少し不健全さを取り入れてくれれば、今以上に面白くなるだろうなあと思っていたわけですが、今回はいきなり両極端に出てきましたよこの作者。あまりに極端すぎて、助かって欲しいと思う登場人物が一人もいません、サバイバル小説のくせに。
逆に言えば、リアルさを全面に出しすぎてしまって、エンターテイメントとしての面白さを捨てきっています。ある種苦行僧のごとき行いで、作者にとっては次なる一歩の為の実験小説でもあったようですなあ。というわけでSFとしては面白いけれども小説としてはあまり面白くありません。
しかも、作者の気力もエピローグの段階に来てとぎれてしまったようで、読み手としては唖然とする結末を登場人物に迎えさせます。ハッピーエンドにしたい気持ちはわかるのですが、どうやら登場人物を突き放して書ききれないところに欠点があるような気がします。
コメント
はじめまして、いつも楽しく読ませてもらっています。
小川一水作品に感じるもどかしさ、よくわかります。なんかこう、あまりに素朴で前向きで、いやになっちゃうんですよね。
決してなにもかんがえられていないわけではないし、むしろよく練られているだけに、「ネタはいいけれどさび抜きの寿司」を食べたあとのような物足りなさがのこります。
もちろん、それが好きだという読者もいるだろうし、作者にとってもこだわりのポイントなのかもしれませんが。
はじめまして、海燕さん。
>ネタはいいけれどさび抜きの寿司
たしかにそんな感じですね。
うまく騙してくれれば、素朴で前向きでも構わないんですが、なんていうか、読んでいると、それだけじゃ通用しねえんだよ世の中は。と言いたくなってしまうんですよ(笑)
ただこの方向性は嫌いじゃないので、もっとがんがん突き進んで、読み手をひれ伏させてほしいものです。
天涯の砦」小川一水
天涯の砦[:読書:]
小川一水
惑星間航行士の最終テストで落ちてしまったニノ瀬は
宇宙ステーション望天に帰ってきた。
しかし、オフを過ごそうとしていた彼に災害が降りかかった。
大きな揺れの後、ステーションは大爆発したのだ!
生き残った彼は、分断された生存者を助けようと奮闘するが。。
こんにちは、TBさせていただきましたm(__)m
登場人物がみなさんぶっ飛んでいたので(パニックのせいか?)
主人公がまともに感じたのですが。。
彼はドンカンなだけなのかもしれません。
>助かって欲しいと思う登場人物が一人もいません
なんか分かるような気がします、しいて言えば”犬”かな。
犬には助かって欲しいかも(^_^)
ああ、そういえば犬がいましたよね。
確かに人間の方はどうでも良かったんですが、犬は助かって欲しいですよね。