古川 日出男著
今回は、誤読をしよう。
というわけで、この本は枠物語がむちゃくちゃ面白いのであります。
なんといっても元となっているのはウィザードリィのノベライズ「砂の王」なのですから、ウィザードリィというゲームに寝食忘れてはまった経験のある人ならばそれだけで涎が出そうな題材です。
「砂の王」の元となった「ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い」はやったことはないけれども、ラスボスの生い立ちや迷宮の誕生といった部分も手を抜かずに描き、文化背景をアラビアにもっていきながらもウィザードリィの世界観に無理なくつなぎ合わせている部分は読んでいてワクワクしてきます。特に素晴らしいのは、迷宮の成り立ちの部分。化け物が俳諧するようになり、それを退治する者があらわれ、街が出来、そして迷宮の中で経済が成立していく様は素晴らしい。そしてさらに素晴らしいのは、一度は地に埋もれた迷宮が復活した後で、職人たちによる改修工事がなされ、ラスボスのいる玄室までの直通通路が造られたという部分。ラスボスは所詮ゲームの一部でしかなく、迷宮が主人公であるウィザードリィの世界を見事に再現してくれています。
かつてウィザードリィというゲームに貴重な青春の日々を無駄に注ぎ込んだ身にとっては至高のごとき物語でした。
まさに「隣り合わせの灰と青春」というやつですよ。
というわけで、この本は枠物語がむちゃくちゃ面白いのであります。
なんといっても元となっているのはウィザードリィのノベライズ「砂の王」なのですから、ウィザードリィというゲームに寝食忘れてはまった経験のある人ならばそれだけで涎が出そうな題材です。
「砂の王」の元となった「ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い」はやったことはないけれども、ラスボスの生い立ちや迷宮の誕生といった部分も手を抜かずに描き、文化背景をアラビアにもっていきながらもウィザードリィの世界観に無理なくつなぎ合わせている部分は読んでいてワクワクしてきます。特に素晴らしいのは、迷宮の成り立ちの部分。化け物が俳諧するようになり、それを退治する者があらわれ、街が出来、そして迷宮の中で経済が成立していく様は素晴らしい。そしてさらに素晴らしいのは、一度は地に埋もれた迷宮が復活した後で、職人たちによる改修工事がなされ、ラスボスのいる玄室までの直通通路が造られたという部分。ラスボスは所詮ゲームの一部でしかなく、迷宮が主人公であるウィザードリィの世界を見事に再現してくれています。
かつてウィザードリィというゲームに貴重な青春の日々を無駄に注ぎ込んだ身にとっては至高のごとき物語でした。
まさに「隣り合わせの灰と青春」というやつですよ。
コメント
古川日出男【アラビアの夜の種族】
いつだったか、夜中に目がさめて、なんとなくテレビをつけたらドキュメンタリー番組をやっていた。
ある職人の話。残念なことに、その人には技術があっても商才がない。お金がなくて材料を買えないのだ。でも品物をつく