田代 裕彦〔著〕
作者が書きたいものを書いたとしても、それが読者の読みたいものであるということはなく、今までの作品が自分好みの内容だったので無条件に買ってしまったのではあるが、買った瞬間にかなり後悔してしまいました。
ここで「無条件に」などと不可抗力であったかのように書いてはみたものの、買う直前、手に取った瞬間に、今回はハズレかもしれないと思ったのも事実であって、実際は不可抗力でもなんでもなく、認めたくはないものですよ自分の過ちは。
で、実際に読んでみると手垢の付いたようなキャラクター造形や世界設定で、いったいどうしてしまったんだろうかこの作者はと首を傾げたくもなりました。しかし、まあ作者に非があるというよりも買ってしまった自分の方が悪いのだろうと後悔したのは話の謎が登場するまでのことでした。
「ざしきわらしは人を殺すのか」
派手さはないものの、ざしきわらしが人を殺したかのように見える事件が起こり、その真相を探るという展開はそそる物があります。
妖怪が起こしたかのように見える事件は実は……、という展開は京極夏彦の妖怪シリーズを彷彿させますが、民俗学に深入りせずにあくまで一般的な知識の範囲で憑き物落としを行っているところはなかなかのものです。
問題は、二段構えの構造のため、謎解きが早い段階で行われてしまうことと、謎解き後の展開が不要に思えてしまうこと。バランスが良いだけあってもう少し何とかならなかったのだろうか、ちょっと残念。
しかし、途中であきらめないでよかったよ。
ここで「無条件に」などと不可抗力であったかのように書いてはみたものの、買う直前、手に取った瞬間に、今回はハズレかもしれないと思ったのも事実であって、実際は不可抗力でもなんでもなく、認めたくはないものですよ自分の過ちは。
で、実際に読んでみると手垢の付いたようなキャラクター造形や世界設定で、いったいどうしてしまったんだろうかこの作者はと首を傾げたくもなりました。しかし、まあ作者に非があるというよりも買ってしまった自分の方が悪いのだろうと後悔したのは話の謎が登場するまでのことでした。
「ざしきわらしは人を殺すのか」
派手さはないものの、ざしきわらしが人を殺したかのように見える事件が起こり、その真相を探るという展開はそそる物があります。
妖怪が起こしたかのように見える事件は実は……、という展開は京極夏彦の妖怪シリーズを彷彿させますが、民俗学に深入りせずにあくまで一般的な知識の範囲で憑き物落としを行っているところはなかなかのものです。
問題は、二段構えの構造のため、謎解きが早い段階で行われてしまうことと、謎解き後の展開が不要に思えてしまうこと。バランスが良いだけあってもう少し何とかならなかったのだろうか、ちょっと残念。
しかし、途中であきらめないでよかったよ。
コメント