ダフネ・デュ・モーリア著 / 務台 夏子訳
ダフネ・デュ・モーリアとシャーリィ・ジャクスンを混同していた頃がありました。この本が出たときも丁度その頃で、表題作の「鳥」も読みたいけれど「くじ」が読みたいと思っていたから収録されていればいいなあと思ってぺらぺらとめくってみたら「くじ」が収録されていなかったのでがっかりし買うのを止めてしまったという何ともお粗末ないきさつがありました。
「くじ」の方は復刊した異色作家短篇集で読むことが出来たのですが、ダフネ・デュ・モーリアの方はあまり食指が動く作家ではなかったので未読のままでした。
しかし、異色作家短篇集のダフネ・デュ・モーリアの巻も出版が間近となったころ、何となく読んでみようかという気持ちにもなり、というか「鳥」が破滅SFだということを耳にしたので有無を言わさず読むことにしたのです。
で、読み終わってみると、読んで良かったよという結果でした。
「鳥」は予想外に話が大きくなる破滅SF。そう簡単に人類が滅んでたまるかよと思っていたのですが、見事に滅びの予感。このそこはかとない絶望感、たまりません。
まっさきに読んだ「鳥」だけでも充分満足だったんだけど、それ以外の話もこれまた面白い。
「モンテ・ヴェリタ」のような幻想的な話を書いたかと思えば、「動機」なんかはハードボイルド小説だったりするし、「裂けた時間」なんてSFだよねえ。
題名がもう少し何とかならなかったのかと思う「番」はラストの一文でそれまでの世界ががらりと変わる面白い話でいや満足ですよ。
「くじ」の方は復刊した異色作家短篇集で読むことが出来たのですが、ダフネ・デュ・モーリアの方はあまり食指が動く作家ではなかったので未読のままでした。
しかし、異色作家短篇集のダフネ・デュ・モーリアの巻も出版が間近となったころ、何となく読んでみようかという気持ちにもなり、というか「鳥」が破滅SFだということを耳にしたので有無を言わさず読むことにしたのです。
で、読み終わってみると、読んで良かったよという結果でした。
「鳥」は予想外に話が大きくなる破滅SF。そう簡単に人類が滅んでたまるかよと思っていたのですが、見事に滅びの予感。このそこはかとない絶望感、たまりません。
まっさきに読んだ「鳥」だけでも充分満足だったんだけど、それ以外の話もこれまた面白い。
「モンテ・ヴェリタ」のような幻想的な話を書いたかと思えば、「動機」なんかはハードボイルド小説だったりするし、「裂けた時間」なんてSFだよねえ。
題名がもう少し何とかならなかったのかと思う「番」はラストの一文でそれまでの世界ががらりと変わる面白い話でいや満足ですよ。
コメント
正直『破局』は、あんまり面白かった印象はないのですが、ポケミスで出ていた『鳥』は、収録作品全て面白かった覚えがあります。
創元推理文庫版も一読しましたが、やっぱり『鳥』は名作ですね。ジャンル的に言えば動物パニック・ホラーになるんでしょうけど、 ジェームズ・ハーバートの『鼠』なんかとは、やっぱり一線を画していますね。
やっぱり『破局』は面白くないですか。ウェブで見る限りでもあまり評判が良くないようなので読むのはよそうと思っていたんですよ。
デュ・モーリアってメロドラマの人っぽいので、ある程度突き抜けた話じゃないと自分には合わない気がします。