ロバート・シェクリイ著 / 宇野 利泰訳
もっと面白かった記憶があったロバート・シェクリイ。
意外と面白く感じられなかったのは、作品配列の問題もあるのかも知れません。
「ひる」「監視鳥」「風起こる」の三作は、どれも展開からオチまでが同じ構造で、適度にばらして配置されていればまだしも、順序よく続けざまに配置されているので、読んでいてまた同じ展開かとがっかりしてしまいます。単体としてみれば決して出来の悪い話ではないのだけれども……。
唯一おもしろいと思ったのが「先住民問題」。社会的適合性に問題のある主人公が、地球から遠く離れた場所で自分だけの惑星を見つけ、そこで一人生活をし始める。そこへ百年以上昔に地球を出発した移民船が到着する。主人公の時代の宇宙船ならば、この星へは数ヶ月で到着するのだけども、彼らの船ではそれだけの年月がかかったのだ。そして主人公を見た彼らは主人公のことをこの惑星の先住民だと思いこむ。彼らからしてみれば、自分たちが出発した後で宇宙船技術が発達し、自分たちよりも早くここまでたどり着くことが出来るようになったなどとは考えつかないのである。
この、主人公が先住民として勘違いされるという部分がいたく琴線に触れてしまいました。似たようなアイデアのものがありそうな感じでもあったのだけれども、寡聞にして見つかりませんでした。
馬鹿馬鹿しい話であれば、最後の「愛の語学」が実に馬鹿馬鹿しいお話で、主人公が<愛の語学>を習うあたりはダグラス・アダムズが書いたとしてもおかしくないような展開、というかダグラス・アダムズの方がシェクリイのようなアイデアの展開をしているといった方が正しいのですが、短編としてのうまさはシェクリイの方が上だなあ。
意外と面白く感じられなかったのは、作品配列の問題もあるのかも知れません。
「ひる」「監視鳥」「風起こる」の三作は、どれも展開からオチまでが同じ構造で、適度にばらして配置されていればまだしも、順序よく続けざまに配置されているので、読んでいてまた同じ展開かとがっかりしてしまいます。単体としてみれば決して出来の悪い話ではないのだけれども……。
唯一おもしろいと思ったのが「先住民問題」。社会的適合性に問題のある主人公が、地球から遠く離れた場所で自分だけの惑星を見つけ、そこで一人生活をし始める。そこへ百年以上昔に地球を出発した移民船が到着する。主人公の時代の宇宙船ならば、この星へは数ヶ月で到着するのだけども、彼らの船ではそれだけの年月がかかったのだ。そして主人公を見た彼らは主人公のことをこの惑星の先住民だと思いこむ。彼らからしてみれば、自分たちが出発した後で宇宙船技術が発達し、自分たちよりも早くここまでたどり着くことが出来るようになったなどとは考えつかないのである。
この、主人公が先住民として勘違いされるという部分がいたく琴線に触れてしまいました。似たようなアイデアのものがありそうな感じでもあったのだけれども、寡聞にして見つかりませんでした。
馬鹿馬鹿しい話であれば、最後の「愛の語学」が実に馬鹿馬鹿しいお話で、主人公が<愛の語学>を習うあたりはダグラス・アダムズが書いたとしてもおかしくないような展開、というかダグラス・アダムズの方がシェクリイのようなアイデアの展開をしているといった方が正しいのですが、短編としてのうまさはシェクリイの方が上だなあ。
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