ブリジット・オベール著 / 香川 由利子訳
あおり文句に踊らされて、ついつい買ってしまった「神のはらわた」。
あとがきを読む限りでは、シリーズ物の二作目ということだったんだけど、単独でもそれほど支障がないようなので前作を読まずにこの話から読んでみることにしました。
……、面白いんだか面白くないんだか……。ふざけたマイケル・スレイドって感じかなあ。マイケル・スレイドがあれ以上ふざけてどうするって言い分もあるだろうけど、スレイドは警察組織の描き方とかキャラクターの描き方とかそういう部分はけっこう真面目に描いていて、そういう部分は案外真面目なんだけども、この作品はその部分もふざけています。
主人公は刑事になることを夢見る平凡な警官なんですが、いろいろとあるらしく上司を憎んでいます。で、その上司は女とみれば発情しまくる変態セクハラ男。
研修で来ている刑事のうち一人はコンピュータオタクで、もう一人は前作で死んだ犯人に取り憑かれている女刑事。で、彼女は物語開始早々ちんぴらに鼻の骨を折られて、「そうです」というところを「…でしゅ」などと言っていて、発音に苦しんでいる状態。もちろんそんな設定が何か物語に関係するのかと言えば、全く関係してきません。
前作の犯人が「死の仕立屋」だったのに対して、今回の犯人は「缶切りパパ」。犯人自らがそう名乗っているのだから間違いない。しかし、その実体はというと意外な人物像だったりするわけでもなく、読み手は早いうちから犯人が誰であるのか知ることとなります。ついでに言えばサスペンス性もあるのかないのか……。犯行動機も早いうちに犯人の口から語れれる始末です。
言ってしまえば、全編何かの冗談みたいな話で、面白くはないんだけども不思議とそれが許せてしまうのは何故なんだろう。最初はテンションが高く、期待度も最高地点。しかし読んでいるうちにテンションも期待度もユーモアもだんだん下がっていき、読み終えたときには平常心に戻っていたような感じであります。ページ数が少なくて短時間で読み終えることができたってことも許せる一因かな。
それにしても変な話を書く人だよ。ブリジット・オベールって。
あとがきを読む限りでは、シリーズ物の二作目ということだったんだけど、単独でもそれほど支障がないようなので前作を読まずにこの話から読んでみることにしました。
……、面白いんだか面白くないんだか……。ふざけたマイケル・スレイドって感じかなあ。マイケル・スレイドがあれ以上ふざけてどうするって言い分もあるだろうけど、スレイドは警察組織の描き方とかキャラクターの描き方とかそういう部分はけっこう真面目に描いていて、そういう部分は案外真面目なんだけども、この作品はその部分もふざけています。
主人公は刑事になることを夢見る平凡な警官なんですが、いろいろとあるらしく上司を憎んでいます。で、その上司は女とみれば発情しまくる変態セクハラ男。
研修で来ている刑事のうち一人はコンピュータオタクで、もう一人は前作で死んだ犯人に取り憑かれている女刑事。で、彼女は物語開始早々ちんぴらに鼻の骨を折られて、「そうです」というところを「…でしゅ」などと言っていて、発音に苦しんでいる状態。もちろんそんな設定が何か物語に関係するのかと言えば、全く関係してきません。
前作の犯人が「死の仕立屋」だったのに対して、今回の犯人は「缶切りパパ」。犯人自らがそう名乗っているのだから間違いない。しかし、その実体はというと意外な人物像だったりするわけでもなく、読み手は早いうちから犯人が誰であるのか知ることとなります。ついでに言えばサスペンス性もあるのかないのか……。犯行動機も早いうちに犯人の口から語れれる始末です。
言ってしまえば、全編何かの冗談みたいな話で、面白くはないんだけども不思議とそれが許せてしまうのは何故なんだろう。最初はテンションが高く、期待度も最高地点。しかし読んでいるうちにテンションも期待度もユーモアもだんだん下がっていき、読み終えたときには平常心に戻っていたような感じであります。ページ数が少なくて短時間で読み終えることができたってことも許せる一因かな。
それにしても変な話を書く人だよ。ブリジット・オベールって。
コメント
「神のはらわた」ブリジット・オベール/著
「神のはらわた」ブリジット・オベール/著読みました。
ブリジット・オベールのハヤカワミステリ文庫作品は気付くと既に10冊になっていた。結構この作家は好きな作家なので、まめに読んでいたつもりだったのですが、気が向いた時に本屋による程度だとこんなものです。
それにしても、気付かなかった後半の5作品はあまり本屋でも見かけない、というかそもそもハヤカワミステリ文庫自体かなり本屋では穴だらけの状態で本屋では並んでいる。
「神のはらわた」は「死の仕立て屋」につづくシリーズ第2作だそうですが、「死の仕立て屋」を読んでいない、しかも本屋でも見かけない。
前作を読んでいなくても話としては問題ないとのことですが、キャラクターが今一歩たたないせいかコメディ調の作品の面白さがもう一つ伝わってこない。ユーモアの感覚そのものがかなり違うような気がします。
オベールはその分野の多様さや作風の幅広さなどが特徴の一つだと思えます。そこがこの作家の好きなところでもありますが、この分野はちょっとあわなかったのかもしれません。
それほどおかしい作品(連続猟奇殺人もので変ですが)でもなく、そんなにサスペンスも感じませんでした。やはりキャラクターがつかみづらいせいでしょうか?それともフランス人のユーモア感覚があわないのか。
「死の仕立て屋」を探して読んでみます。