レイモンド F.ジョーンズ作 / 矢野 徹訳
レイモンド・F・ジョーンズといえば、読んでトラウマになった人が多数いると言われる「ゴセシケ」(現在は「合成怪物の逆しゅう」の題名で岩崎書店から出版)で有名なんですが、唯一ジュブナイルとしてではなく翻訳されたこの長編も「ゴセシケ」同様に暗い未来の話です。
「アメリカ滅亡」「第三次大戦後のアメリカ大陸」と並び、Q-Tブックス三大暗黒未来社会ものと呼ばれることがあるとかないとか、真偽のほどは不明ですが、この「超人集団」も核戦争後の未来社会を描いております。
内容としてはひねくれたジョン・ウィンダムが書いた「さなぎ」とでもいいましょうか、放射能の影響でミュータントが生まれるようになり、正常者を残すために国は遺伝子マップを作り上げ、正常者のみ子供を作ることを許可し、逆に正常者は一人あたり十人以上の子供を作らなければならなくなった世界の話です。子供が少なく、限られた人々のみ作ることが出来ないため、人さらいが横暴し、それを未然に防ぐためには殺人も許可されているのです。
そんな社会ですからミュータント(変異者)は見つけられ次第殺されます。主人公は肉体的な差異が無いため普通の暮らしをしていたのですが、変異者に対してテレパシーで会話が出来ることに気づき、そして自分も変異者であることを知ります。そして産児制限をしているにもかかわらず正常人が徐々に減少しつつあり変異者が増えていく状況に、自分たち変異者が次の世代の人類ではないのだろうかと考えるのです。
そして遺伝子情報をごまかし精子提供者として自分の精子を登録し自分の子孫を次々と作りだし、人里離れた場所に秘密のコロニーを作り自分の最初の子供をリーダーとして変異者の組織作りを行います。
と、ここまではあくまで物語の背景部分。こういった背景を元にどんな話が始まるのかといえば……。変異者は優れた部分もあるけれど、基本的に正常者となんら変わることはなく、憎しみも悲しみもあり、仲間どうしでの対立もあるのだという話に向かっていきます。
地に足のついた重苦しい話というか足首を捕まれてしまったので飛び上がれない話でした。とりあえず希望は残されているけれども救いのない話だったよ。
あとがきは翻訳者の矢野徹が書いているのだけれども、これがなんと全四ページにわたって、本文とは無関係の自分の昔話しかしてません。かろうじて最後の二行でこの本について触れていますが、それも意味不明な内容。前回訳した「英国情報部員 -秘密作戦」でのあとがきが好評だったから今回も同じことをしたのらしいが、いくら編集部の許可済みだからって凄すぎるよ矢野徹。
「アメリカ滅亡」「第三次大戦後のアメリカ大陸」と並び、Q-Tブックス三大暗黒未来社会ものと呼ばれることがあるとかないとか、真偽のほどは不明ですが、この「超人集団」も核戦争後の未来社会を描いております。
内容としてはひねくれたジョン・ウィンダムが書いた「さなぎ」とでもいいましょうか、放射能の影響でミュータントが生まれるようになり、正常者を残すために国は遺伝子マップを作り上げ、正常者のみ子供を作ることを許可し、逆に正常者は一人あたり十人以上の子供を作らなければならなくなった世界の話です。子供が少なく、限られた人々のみ作ることが出来ないため、人さらいが横暴し、それを未然に防ぐためには殺人も許可されているのです。
そんな社会ですからミュータント(変異者)は見つけられ次第殺されます。主人公は肉体的な差異が無いため普通の暮らしをしていたのですが、変異者に対してテレパシーで会話が出来ることに気づき、そして自分も変異者であることを知ります。そして産児制限をしているにもかかわらず正常人が徐々に減少しつつあり変異者が増えていく状況に、自分たち変異者が次の世代の人類ではないのだろうかと考えるのです。
そして遺伝子情報をごまかし精子提供者として自分の精子を登録し自分の子孫を次々と作りだし、人里離れた場所に秘密のコロニーを作り自分の最初の子供をリーダーとして変異者の組織作りを行います。
と、ここまではあくまで物語の背景部分。こういった背景を元にどんな話が始まるのかといえば……。変異者は優れた部分もあるけれど、基本的に正常者となんら変わることはなく、憎しみも悲しみもあり、仲間どうしでの対立もあるのだという話に向かっていきます。
地に足のついた重苦しい話というか足首を捕まれてしまったので飛び上がれない話でした。とりあえず希望は残されているけれども救いのない話だったよ。
あとがきは翻訳者の矢野徹が書いているのだけれども、これがなんと全四ページにわたって、本文とは無関係の自分の昔話しかしてません。かろうじて最後の二行でこの本について触れていますが、それも意味不明な内容。前回訳した「英国情報部員 -秘密作戦」でのあとがきが好評だったから今回も同じことをしたのらしいが、いくら編集部の許可済みだからって凄すぎるよ矢野徹。
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