芦奈野 ひとし著
十二年目にしてようやく完結。
コミックスになったものを読み続けてきたわけですが、それでも十二年という歳月はなかなか感慨深いものがあります。そりゃ読み始めたときはまだ二十代だったわけですから。
「ミサゴ」も「水神さま」も巨大航空機も、漠然とただそこに存在しているものとしてしか描かれず、結局なんだったのか判らずじまい、オーナーも最後まで姿を現しませんでした。それらに対して説明がされることをちょっぴり期待をしてはいたのですが、説明されてしまったら多分興ざめしてしまったでしょうから、これで良かったんだろう。もっとも、姿を現さないといえば「おじさん」は最終巻では姿を見せず、そこのところがちょっと残念でした。
カフェ・アルファが台風で崩壊するまでは、物語内の時間の流れはほとんど止まっていたけれども、それ以降は急速に動き出し、その流れの速さにとまどいもしたけれども、やはり動き出さなければ終末感が出ないのもまた事実です。
この世界に住む個々の人々は普通に年を取っていくけれども、種としての人の時間は停滞しゆっくりと終末を迎えていきます。そういう解釈が合っているのかというよりもそういう風に解釈したい自分がいるだけなんだけど、「水神さま」がバラードの「結晶世界」を連想させるからなんだよね。
ここで「結晶世界」を読み直したくなるのが普通かもしれないけれども、池澤夏樹の「やがてヒトに与えられた時が満ちて……」の方をもう一度読み直したくなりました。
では良い週末を。
コミックスになったものを読み続けてきたわけですが、それでも十二年という歳月はなかなか感慨深いものがあります。そりゃ読み始めたときはまだ二十代だったわけですから。
「ミサゴ」も「水神さま」も巨大航空機も、漠然とただそこに存在しているものとしてしか描かれず、結局なんだったのか判らずじまい、オーナーも最後まで姿を現しませんでした。それらに対して説明がされることをちょっぴり期待をしてはいたのですが、説明されてしまったら多分興ざめしてしまったでしょうから、これで良かったんだろう。もっとも、姿を現さないといえば「おじさん」は最終巻では姿を見せず、そこのところがちょっと残念でした。
カフェ・アルファが台風で崩壊するまでは、物語内の時間の流れはほとんど止まっていたけれども、それ以降は急速に動き出し、その流れの速さにとまどいもしたけれども、やはり動き出さなければ終末感が出ないのもまた事実です。
この世界に住む個々の人々は普通に年を取っていくけれども、種としての人の時間は停滞しゆっくりと終末を迎えていきます。そういう解釈が合っているのかというよりもそういう風に解釈したい自分がいるだけなんだけど、「水神さま」がバラードの「結晶世界」を連想させるからなんだよね。
ここで「結晶世界」を読み直したくなるのが普通かもしれないけれども、池澤夏樹の「やがてヒトに与えられた時が満ちて……」の方をもう一度読み直したくなりました。
では良い週末を。
コメント
中学生の頃にアフタヌーンを初めて買って、ヨコハマ読んで、それが連載当初だったのを覚えています。
あれから12年か。妙に感慨深いなぁ。
と感傷に浸ってみる。
屍さんは中学の頃でしたか。
感傷に浸るのは早すぎますよ(笑)
感傷に浸るのは年寄りになってからです。