ウィル・マッカーシイ著 / 嶋田 洋一訳
30年代スペースオペラである「火星航路SOS」を読んだ後は2000年代スペースオペラの「コプラシウム」。世間での評判がそれほど悪くなかったこととネビュラ賞候補になっていたこともあって結局読んでしまいました。
難事件を天才科学者が解決って部分で言えばチャールズ・シェフィールドの「マッカンドルー航宙記」に雰囲気が似ていなくもありません。もっとも、人間も転送できるファックスがあって、それを利用してコピーをとったり、分身を作ったり、人体改造したり、老廃物を取り除いて不死状態だったり。さらにはプログラムすることでどんな物質でもエミュレートできる「ウェルストーン」なんてものがあったりして、SFというよりも魔法の世界に近い部分もあります。
しかし、このとんでもないガジェットが何にも社会問題として絡んでこない部分が物語り全体に軽さを与えてくれます。自分の分身をいくつ作っても、オリジナルとコピーの問題なんて気にしていないし、不死を獲得していても人生に飽きることなんかなさそうです。そう、主人公たちが悩むのはあくまで太陽消滅の危機に関してだけなのです。まあ、この危機に比べれば他の問題なんて取るに足らない問題かもしれませんが……。
あまりにも軽いので、主人公の分身がとんでもない酷い目に会い卑屈な人格になってしまっても全然かわいそうに思えなく、卑屈なセリフを喋るたびにおかしくって吹き出してしまいます。その為、後半は熱血スペースオペラというよりも爆笑凸凹コンビ世界を救うといった感じ。
次巻では主人公の子供が出来すぎた両親に対してのコンプレックスを持つという、壮大とは対極にある個人的危機が語られるようなので非常に楽しみ。続編も翻訳してくれないかなあ。
難事件を天才科学者が解決って部分で言えばチャールズ・シェフィールドの「マッカンドルー航宙記」に雰囲気が似ていなくもありません。もっとも、人間も転送できるファックスがあって、それを利用してコピーをとったり、分身を作ったり、人体改造したり、老廃物を取り除いて不死状態だったり。さらにはプログラムすることでどんな物質でもエミュレートできる「ウェルストーン」なんてものがあったりして、SFというよりも魔法の世界に近い部分もあります。
しかし、このとんでもないガジェットが何にも社会問題として絡んでこない部分が物語り全体に軽さを与えてくれます。自分の分身をいくつ作っても、オリジナルとコピーの問題なんて気にしていないし、不死を獲得していても人生に飽きることなんかなさそうです。そう、主人公たちが悩むのはあくまで太陽消滅の危機に関してだけなのです。まあ、この危機に比べれば他の問題なんて取るに足らない問題かもしれませんが……。
あまりにも軽いので、主人公の分身がとんでもない酷い目に会い卑屈な人格になってしまっても全然かわいそうに思えなく、卑屈なセリフを喋るたびにおかしくって吹き出してしまいます。その為、後半は熱血スペースオペラというよりも爆笑凸凹コンビ世界を救うといった感じ。
次巻では主人公の子供が出来すぎた両親に対してのコンプレックスを持つという、壮大とは対極にある個人的危機が語られるようなので非常に楽しみ。続編も翻訳してくれないかなあ。
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