漆原 友紀著
いつの間にかもう七巻目です。派手なアクションがあるわけでもなく淡々と語られてゆく物語は相変わらず心地よいものです。
不可思議な現象の原因を「蟲」としながらも「蟲」そのものにはとりたてて明確な悪意というものは存在せず、ただ単に生き物の一種であり、生きているが故に害を成すこともあるという設定が面白い部分でもあります。
今回、後半に蟲師に関係する大ネタが登場するけれども、前半の話の方がどちらかといえば好みでした。
「花惑い」はよくよく考えると説明不足すぎてそんな設定でいいのかと思ってしまうのだけれども、まあそれはいつもの蟲師の世界であって、何よりも接ぎ木がこのような形で使われるとは…。酷い話だねこれは。
一方で「雷の袂」は一番のお気に入りであり、一番切ないお話。ここでは「蟲」は主役ではなく人が主役。もっとも他の話だって人の方が主役なんだけど……。自分が産んだ子供なのに愛情を感じることが出来ない母親と、子供の話。自分に対して子供が持っている愛情を知りながらも、子供に対して愛情を感じることが出来ない母親の苦しみが胸を打ちます。
不可思議な現象の原因を「蟲」としながらも「蟲」そのものにはとりたてて明確な悪意というものは存在せず、ただ単に生き物の一種であり、生きているが故に害を成すこともあるという設定が面白い部分でもあります。
今回、後半に蟲師に関係する大ネタが登場するけれども、前半の話の方がどちらかといえば好みでした。
「花惑い」はよくよく考えると説明不足すぎてそんな設定でいいのかと思ってしまうのだけれども、まあそれはいつもの蟲師の世界であって、何よりも接ぎ木がこのような形で使われるとは…。酷い話だねこれは。
一方で「雷の袂」は一番のお気に入りであり、一番切ないお話。ここでは「蟲」は主役ではなく人が主役。もっとも他の話だって人の方が主役なんだけど……。自分が産んだ子供なのに愛情を感じることが出来ない母親と、子供の話。自分に対して子供が持っている愛情を知りながらも、子供に対して愛情を感じることが出来ない母親の苦しみが胸を打ちます。
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