大宇宙の墓場


大宇宙の墓場
アンドレ・ノートンといえばジュブナイルSFの代名詞みたいなもんですが、アンドレ・ノートンの小説を読むのは今回が初めて。「大宇宙の墓場」は去年の60周年記念復刊で復刊した本です。松本零士の挿し絵もふんだんに使われているので松本零士ファンにとってはお得な一冊かも。
<太陽の女王号>シリーズは全七作あるそうなんですが、翻訳は二作目までで止まっています。今となっては残りの本が翻訳される可能性なんて残念ながら無いでしょう。
訓練所を卒業した人間は職業判定マシンによって就職先が決定されるという世界。主人公の同期生は大企業に就職することになったのだけれども、主人公は自由貿易業者に決定されてしまう。そして主人公が乗り込む船が太陽の女王号。
別段、主人公に何か特殊な能力があるというわけではないので、主人公一人が大活躍するという話にはなりません。太陽の女王号の乗組員達が力を合わせて状況に対応していくという話です。
さすがに細かなガジェットは古びているというか50年代SFそのものなんですが、自由貿易業者という設定や、新たに発見された惑星の交易権が競売にかけられるという設定はなかなかワクワクさせられる面があります。
昔、GDWという会社が小惑星を探査して開発をするベルターというボードゲームを出したのですが、あれを彷彿させるような設定でもあります。小惑星の探査から始まって宇宙船や設備のメンテナンス・労働問題や経済問題、さらには政治問題や戦争までをプレイアビリティを無視してまでルールに盛り込んでいるという凝りまくっているわりに非常に地味なゲームだったんですが、もう一度やりたくなってきましたよ。

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