コーネル・ウールリッチ著 / 高橋 豊訳
ウィリアム・アイリッシュもコーネル・ウールリッチも同一人物なんですが、ウィリアム・アイリッシュといえば「幻の女」、コーネル・ウールリッチといえば「ブラックシリーズ」が真っ先に頭に浮かびます。
「ブラックシリーズ」ってのは単に題名に「black」という文字が含まれているというだけで、登場人物も物語的にもまったくつながりが無いのですが、ウールリッチの筆が冴えわたっていた時期に書かれたものなので晩年の作品よりも面白い話ばかりです。
「ブラックシリーズ」は全六作。去年「黒い天使」が文庫化されて読み終えたので、未読は「恐怖の冥路」のみとなりました。
で、まあ運良く見かけたので購入して読了。
主人公は金持ちの人妻と恋仲になり、カリブ海を渡ってハバナへと逃避行。立ち寄ったバーでカメラマンが二人の写真を撮るのだが、その直後、彼女は脇腹にナイフを突き刺され息を引き取る。警察に追われ、殺人のぬれぎぬを着せられた主人公は復讐に乗り出す。
「幻の女」と「喪服のランデブー」が組み合わさったような話で、いつものウールリッチ印であります。舞台はキューバのハバナなんですが、舞台としては今ひとつ。やはりウールリッチには都会が似合います。
前半、主人公の無実を証明してくれそうな人が、主人公に不利になるような発言しか言ってくれず窮地に陥るところなんてうれしくなるほどウールリッチ的展開。その後のウールリッチ的ご都合主義展開も読んでいてワクワクしてきます。
意外な真相とか、意外な真犯人といったものがなく、真相も真犯人もおおよそ予想のつく範囲に収まっているので、そういう部分を期待するとがっかりするかもしれないけれども、初期に書かれた作品だけあって「喪服のランデブー」のような息苦しくなるような切なさとは違い比較的さわやか。主人公を助けてくれたキューバ娘との再会から始まるラストの数ページと最後の一行はさすがウールリッチといいたくなるほど素晴らしいです。
「ブラックシリーズ」ってのは単に題名に「black」という文字が含まれているというだけで、登場人物も物語的にもまったくつながりが無いのですが、ウールリッチの筆が冴えわたっていた時期に書かれたものなので晩年の作品よりも面白い話ばかりです。
「ブラックシリーズ」は全六作。去年「黒い天使」が文庫化されて読み終えたので、未読は「恐怖の冥路」のみとなりました。
で、まあ運良く見かけたので購入して読了。
主人公は金持ちの人妻と恋仲になり、カリブ海を渡ってハバナへと逃避行。立ち寄ったバーでカメラマンが二人の写真を撮るのだが、その直後、彼女は脇腹にナイフを突き刺され息を引き取る。警察に追われ、殺人のぬれぎぬを着せられた主人公は復讐に乗り出す。
「幻の女」と「喪服のランデブー」が組み合わさったような話で、いつものウールリッチ印であります。舞台はキューバのハバナなんですが、舞台としては今ひとつ。やはりウールリッチには都会が似合います。
前半、主人公の無実を証明してくれそうな人が、主人公に不利になるような発言しか言ってくれず窮地に陥るところなんてうれしくなるほどウールリッチ的展開。その後のウールリッチ的ご都合主義展開も読んでいてワクワクしてきます。
意外な真相とか、意外な真犯人といったものがなく、真相も真犯人もおおよそ予想のつく範囲に収まっているので、そういう部分を期待するとがっかりするかもしれないけれども、初期に書かれた作品だけあって「喪服のランデブー」のような息苦しくなるような切なさとは違い比較的さわやか。主人公を助けてくれたキューバ娘との再会から始まるラストの数ページと最後の一行はさすがウールリッチといいたくなるほど素晴らしいです。
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