セルゲイ・ルキヤネンコ著 / 法木 綾子訳
オビには「バトルファンタジー」なんて書いてあるけど、どうみても「バトルファンタジー」ではありません。まごうことなきダークファンタジーですよ。むしろファンタジーよりのSFと言ってしまった方がいいのかもしれません。
人間たちの中で偶に能力を持つ者が生まれる。彼らは異人と呼ばれイニシエーションを受けることで光または闇のどちらかの勢力に属することとなる。光と闇の勢力は遙か昔から勢力争いをしていたのだが、全面戦争をすれば人類が滅んでしまうため、休戦協定を結び互いに牽制しあい、そして監視しあっている。というのが基本設定。そんな設定ですから派手なバトルなんて起こりようがありません。
主人公は光のパトロール隊の下っ端。取り立てて高い能力があるわけではないのだけれども、光と闇の勢力争いに大きな影響を与える出来事に巻き込まれてしまいます。光の側ってのは基本的に悪人を改心させて善人にしようとしたりするんですが、闇との協定の関係上、闇雲に改心させることなどできません。決められた分しかできないのです。逆に闇の側も決められた分だけ善人を悪人にさせることができるのです。
とは言えども基本的に硬直状態です。その硬直状態の中で相手を出し抜き、有利な立場にもっていくために作戦が立てられます。主人公は下っ端なので作戦の全貌は知らされないまま事件に翻弄され、異人であることを悩み続けるのです。光の側の物語のくせに主人公が悩み続けているせいで全体の雰囲気はひたすら暗いのが興味深い部分です。
本作は三つのエピソードから成り立っているのですが、物語は始まったばかりといったところ。解説では三部作になると書かれていますが、四作目が書かれたそうなので今のところ四部作です。非常に続きが気になるので是非とも二作目以降も翻訳して欲しいなぁ。
人間たちの中で偶に能力を持つ者が生まれる。彼らは異人と呼ばれイニシエーションを受けることで光または闇のどちらかの勢力に属することとなる。光と闇の勢力は遙か昔から勢力争いをしていたのだが、全面戦争をすれば人類が滅んでしまうため、休戦協定を結び互いに牽制しあい、そして監視しあっている。というのが基本設定。そんな設定ですから派手なバトルなんて起こりようがありません。
主人公は光のパトロール隊の下っ端。取り立てて高い能力があるわけではないのだけれども、光と闇の勢力争いに大きな影響を与える出来事に巻き込まれてしまいます。光の側ってのは基本的に悪人を改心させて善人にしようとしたりするんですが、闇との協定の関係上、闇雲に改心させることなどできません。決められた分しかできないのです。逆に闇の側も決められた分だけ善人を悪人にさせることができるのです。
とは言えども基本的に硬直状態です。その硬直状態の中で相手を出し抜き、有利な立場にもっていくために作戦が立てられます。主人公は下っ端なので作戦の全貌は知らされないまま事件に翻弄され、異人であることを悩み続けるのです。光の側の物語のくせに主人公が悩み続けているせいで全体の雰囲気はひたすら暗いのが興味深い部分です。
本作は三つのエピソードから成り立っているのですが、物語は始まったばかりといったところ。解説では三部作になると書かれていますが、四作目が書かれたそうなので今のところ四部作です。非常に続きが気になるので是非とも二作目以降も翻訳して欲しいなぁ。
コメント
四作目が書かれたそうですが、それは、どちらで情報公開されているのでしょう?よろしければソースを教えていただけますか?お暇な時で結構ですので、宜しくお願い致します。
ナイト・ウォッチ
舞台は現代のロシア。古来より続く<光>と<闇>の戦い。超能力者である「異人」たちは、<光>と<闇>の二手に分かれて戦っている。第二次大戦直後、彼らは停戦条約を結んだ。光の異人は「ナイト・ウォッチ」闇の異人は「デイ・ウォッチ」を結成し相手を監視しあって…
「蝸牛地帯」というサイトのロシア・旧共産圏諸国SF関連ニュース
http://www.asahi-net.or.jp/~yx6n-oon/trojka/news.htm#sfm_2006_2
で見かけました。
ロシア語の公式サイトを見ればもう少し詳しいことが載っているのかも知れないのですが、あいにくロシア語はさっぱり判りませんので(^^;
ありがとうございました。
三部作という話がおおいので、とても参考になりました。
自分のサイトでも、紹介させていただきます。