アヴラム・デイヴィッドスン著 / 殊能 将之編 / 浅倉 久志〔ほか〕訳
期待どおり、いや期待以上の面白さでしたよアヴラム・デイヴィッドスンの「どんがらがん」。
アヴラム・デイヴィッドスンの元奥さんの序文から始まって、編者による解説まで、かゆいところに手が届くような、いたれりつくせりの一冊です。
ヒューゴー賞、アメリカ探偵作家クラブ賞、世界幻想文学大賞を受賞しておきながらも、生涯を通じてあまり売れなかったらしい。知っている人間にとっては凄い受賞履歴なのだけれど、一般的には大した経歴ではないのかも知れないと考えると少し悲しくなるのだけれども、きっといろいろな理由があったのでしょう。
解説によるとかなりの悪文だったというのだけれども、その割にエラリー・クイーンの代作を何作か行っていたりするのが大いに疑問だったりもします。
筒井康隆が書いてもよさそうな「ゴーレム」や、ものすごく後味の悪い「さあ、みんなで眠ろう」、『幻想と怪奇 おれの夢の女』と比べて、翻訳によってこれほどまでに変わってくるのか「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」、なんだかよくわからない話なのだけれども「ナポリ」という言葉が不思議な響きを持つ「ナポリ」などなど、全てはずれ無し。
アヴラム・デイヴィッドスンの元奥さんの序文から始まって、編者による解説まで、かゆいところに手が届くような、いたれりつくせりの一冊です。
ヒューゴー賞、アメリカ探偵作家クラブ賞、世界幻想文学大賞を受賞しておきながらも、生涯を通じてあまり売れなかったらしい。知っている人間にとっては凄い受賞履歴なのだけれど、一般的には大した経歴ではないのかも知れないと考えると少し悲しくなるのだけれども、きっといろいろな理由があったのでしょう。
解説によるとかなりの悪文だったというのだけれども、その割にエラリー・クイーンの代作を何作か行っていたりするのが大いに疑問だったりもします。
筒井康隆が書いてもよさそうな「ゴーレム」や、ものすごく後味の悪い「さあ、みんなで眠ろう」、『幻想と怪奇 おれの夢の女』と比べて、翻訳によってこれほどまでに変わってくるのか「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」、なんだかよくわからない話なのだけれども「ナポリ」という言葉が不思議な響きを持つ「ナポリ」などなど、全てはずれ無し。
コメント
そうですか,期待以上の面白さでしたか。
たまたま,収録作がいくつか載っている,アンソロジーやSFマガジンがあるため,ちょっと購入を見合わせていたんですが,翻訳に相当の違いがあるのであれば,やっぱり買うべきかな。
「ゴーレム」の老夫婦の会話は,何度読んでも笑ってしまいます。
確かに既読作品が多いと迷いますよねぇ。
私の場合は未読が多かったので、コストパフォーマンスが良かったんです。
この世はほぼフィクション
音楽でいうところのミクスチャー。16からなる短編はミステリー、SF、ファンタジーが混ざる。ユニークな設定、まずその発想があまりに豊かで、心してかからないと置いてけぼりを食う。オチがしっかりしているためか、大衆娯楽のようでいて骨が太い。世界は、見聞の段階で既に創造、
はじめまして。コメント&TB失礼します。
人に薦められるまま本作品を読んだもので、
他の訳と比べることはできなかったのですが、
非常に興味深く面白い短編ばかりでした。
解説までも読み応えがありました。
まさにいたれりつくせりですね。
現象さん、はじめまして。
そうですね、こういう豪勢というか丁寧というか細部までしっかりと作られた本を読んだ後は、幸せな気分になれますね。