星新一 二冊

ふしぎな夢
天国からの道
出版芸術社から出ていた「気まぐれスターダスト」を二分冊にし、「ショートショート1001」のみの収録されていた6篇を追加した本です。
その昔、ベートベンが若かりしころに作った習作を、未発表の「第10交響曲」として演奏会が行われたとき、星新一は終演後「習作というのは生きているうちに始末しておかないと大変なことになるな」と言ったといいます。
表題作「天国からの道」は同人誌から発掘された「天使考」の原型、つまり習作です。
星新一ファンとしてはうれしい反面、星新一の言動を知る身としては、発掘などされずに埋もれたままだったほうが良かったとも思うのですよ。
オビに「『ブランコのむこうで』の次に読むのはこれ」などと書かれてはいるものの今まで本になるときに漏れていた作品を集めた拾遺集なので、ファン以外は無理して読む必要もない、むしろこれ以外の本を選んだ方がいい。
とはいうものの、この2冊で星新一のさまざまな側面を見ることができるのは確かではある。とくに「火星航路」などは、こんな話も描いていたのかと驚きました。

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