キース・ローマー著 / 伊藤典夫訳
五年早く生まれてくれば良かったと思うことがあります。
いまでは絶版となり、読みたくても読むことができない本を読みたくなった時、そう思うのです。
大抵は中学や高校のころであれば手に入った本で、当時はメジャーな作家の作品を(といってもSFやミステリーでしたから普通の感覚でいえばマイナーな路線ではありますが)読むので精一杯で、マイナーな作家の方までは手が回らなかったために後回しにしていたらいつの間にか絶版となってしまった作品群です。
キース・ローマーもその中のひとりでした。当時は見向きもしなかったのだけれども、手に入りにくくなってしまうと無性に読みたくなってくるのがマニアの常というものです。
そんなおり、「銀河のさすらいびと」が復刊されました。
まあ、いざ読み終わってみると、そんなに必死になって読まなければいけないほど特別に面白かったわけでもなく、当時後回しにしておいたのも納得できる内容ではありましたが、スペースオペラなんてそんなものでしょう。邦題がぴったり来るほど主人公は放浪流転の人生。とらわれたお姫様を助けなければいけないのにいろんなところで足止めを食らってしまいます。それでもって平気で半年とかが過ぎ去ってしまう。そんなにのんびりしていて大丈夫なのかと思うのだけれど、それだけ宇宙は広いのであります。主人公はお姫様の故郷まで行こうとするのだけれど、なんとまあ3千光年も離れている。ワープ航法などという都合のいい代物などないので、ひたすら光速の何倍という速度で突き進む。まぁ光速の何倍という方がつごうの良すぎる代物だったりもするのだけれど、文中では千倍の速度までは出せるらしい。しかし、それでもだ、光速の千倍の速度で突き進んでいったとしても3千光年先の惑星にたどり着くまで3年の月日がかかるのであります。主人公もわざとのんびりしているわけではありません。
冒険に継ぐ冒険の連続で、たとえば、ある惑星にたどり着いたのだけれども次へ向かう船が無いために足止めを食ってしまい、仕方なしに警備隊に入ったら実はその警備隊、悪の巣窟だったために命からがら逃げ出した、などという退屈な冒険などはわずか数行ですまされていたりするのです。そんな獲るに足らない冒険の記述があちらこちらにあるわけで、変な意味で密度が濃いお話です。
さらわれたお姫様よりも主人公の方が大変な目に遭いまくりなのですが、最後はハッピーエンド。めでたしめでたし。
いまでは絶版となり、読みたくても読むことができない本を読みたくなった時、そう思うのです。
大抵は中学や高校のころであれば手に入った本で、当時はメジャーな作家の作品を(といってもSFやミステリーでしたから普通の感覚でいえばマイナーな路線ではありますが)読むので精一杯で、マイナーな作家の方までは手が回らなかったために後回しにしていたらいつの間にか絶版となってしまった作品群です。
キース・ローマーもその中のひとりでした。当時は見向きもしなかったのだけれども、手に入りにくくなってしまうと無性に読みたくなってくるのがマニアの常というものです。
そんなおり、「銀河のさすらいびと」が復刊されました。
まあ、いざ読み終わってみると、そんなに必死になって読まなければいけないほど特別に面白かったわけでもなく、当時後回しにしておいたのも納得できる内容ではありましたが、スペースオペラなんてそんなものでしょう。邦題がぴったり来るほど主人公は放浪流転の人生。とらわれたお姫様を助けなければいけないのにいろんなところで足止めを食らってしまいます。それでもって平気で半年とかが過ぎ去ってしまう。そんなにのんびりしていて大丈夫なのかと思うのだけれど、それだけ宇宙は広いのであります。主人公はお姫様の故郷まで行こうとするのだけれど、なんとまあ3千光年も離れている。ワープ航法などという都合のいい代物などないので、ひたすら光速の何倍という速度で突き進む。まぁ光速の何倍という方がつごうの良すぎる代物だったりもするのだけれど、文中では千倍の速度までは出せるらしい。しかし、それでもだ、光速の千倍の速度で突き進んでいったとしても3千光年先の惑星にたどり着くまで3年の月日がかかるのであります。主人公もわざとのんびりしているわけではありません。
冒険に継ぐ冒険の連続で、たとえば、ある惑星にたどり着いたのだけれども次へ向かう船が無いために足止めを食ってしまい、仕方なしに警備隊に入ったら実はその警備隊、悪の巣窟だったために命からがら逃げ出した、などという退屈な冒険などはわずか数行ですまされていたりするのです。そんな獲るに足らない冒険の記述があちらこちらにあるわけで、変な意味で密度が濃いお話です。
さらわれたお姫様よりも主人公の方が大変な目に遭いまくりなのですが、最後はハッピーエンド。めでたしめでたし。
コメント
Takemanさま、
はじめまして。 「ヒッチハイク」の映画情報をみて、あんな内容なら
こっちのほうがエエで、とググってたどりついたものです。:-)
ああ! 復刊されるのですねー。情報ありがとうございました!!
古い文庫はもっているもんねー、と探したら、見当たらなくなって
いました。:-)
復刊本で読み直そうとおもいます。
——
そうそう、小生たぶん、「5年早くうまれた:-)」もののようです。
そして同意します。あの内容は「中高生」の年代でグッとくるかと。
(グっときたので:-)
いま再読したらどうでしょうか? 楽しみです。
ではでは。
Kimballさんこんにちは。
改めて自分の文章を読み直していたら、誉めてるんだか貶してるんだか
よくわからない文章でした。
いや、本人は誉めているつもりだったんですが。
>「中高生」の年代でグッとくるかと。
そう、確かにグッときますよね、この話は。
そういう意味では当時読んでおけば良かったと後悔しています。