矢野 徹
この本は昔、角川文庫で出た「442連隊戦闘団」の復刻版。
そして、442連隊とは第二次世界大戦中に集められた日系二世たちで編成されたアメリカ軍隊のこと。アメリカと日本が戦争をし、彼らには自分たちの居場所がなかった。
アメリカでは1967年まで異人種間の結婚は法律で禁じられていた。
矢野徹といえば「ハインライン」であり「カムイの剣」であり「ウィザードリィ日記」だった。
去年の10月に訃報を知ったとき、天国でハインラインに会うことができたのだろうかと思うと同時に、「ウィザードリィ日記」は書いてくれても「SF日記」は書いてくれなかったことを残念に思った。
この人でなければ書くことができなかった日本SF史の一部は永久に消え去ってしまったのだ。
江戸川乱歩の「続・幻影城」のなかで、乱歩のもとに訪れた一人の青年のことが書かれている。乱歩に海外の空想科学小説の状況に関して質問し、この青年はアメリカで行われるSF大会に参加するために翌日、海を渡る。
この青年が矢野徹である。
この本ではSF作家のクリス・ネヴィルが登場する。「ベティアンよ帰れ」や「槍作りのラン」で有名な作家なのだけれど、現在ではどちらも絶版で知らない人の方が多いかも知れない。かくいう私もかろうじて「ベティアンよ帰れ」の短編版を読んだことがあるだけで、両方とも未読だ。
作中、クリス・ネヴィルはこう語る。
「額に汗して働かずに指揮だけする人間が現れたときから、争いは始まる。」
一つの国の言葉を80%でも理解するためにはその国の文化を理解する必要がある。しかし外国人にはそんなことは不可能で、それ故に異民族の間の会話には理解できない部分があると矢野徹は語る。
クリス・ネヴィルは自分の思っていることを正しく文章として語ったのだろうか。
矢野徹はクリス・ネヴィルの言葉を正しく聞き取り忠実に日本語に訳してくれたのだろうか。
そして僕はこの文章を正しく理解できるのだろうか。
戦後に日本人がアメリカに行ってもそれほどの非難や差別を受けなかったのは、日系二世たちの貴い犠牲のおかげでもあると矢野徹は語る。
死傷率95%「Go For Broke!」
言葉だけでは信じてもらえず、流れる血でもってしか信じてもらえなかったのである。
そして、442連隊とは第二次世界大戦中に集められた日系二世たちで編成されたアメリカ軍隊のこと。アメリカと日本が戦争をし、彼らには自分たちの居場所がなかった。
アメリカでは1967年まで異人種間の結婚は法律で禁じられていた。
矢野徹といえば「ハインライン」であり「カムイの剣」であり「ウィザードリィ日記」だった。
去年の10月に訃報を知ったとき、天国でハインラインに会うことができたのだろうかと思うと同時に、「ウィザードリィ日記」は書いてくれても「SF日記」は書いてくれなかったことを残念に思った。
この人でなければ書くことができなかった日本SF史の一部は永久に消え去ってしまったのだ。
江戸川乱歩の「続・幻影城」のなかで、乱歩のもとに訪れた一人の青年のことが書かれている。乱歩に海外の空想科学小説の状況に関して質問し、この青年はアメリカで行われるSF大会に参加するために翌日、海を渡る。
この青年が矢野徹である。
この本ではSF作家のクリス・ネヴィルが登場する。「ベティアンよ帰れ」や「槍作りのラン」で有名な作家なのだけれど、現在ではどちらも絶版で知らない人の方が多いかも知れない。かくいう私もかろうじて「ベティアンよ帰れ」の短編版を読んだことがあるだけで、両方とも未読だ。
作中、クリス・ネヴィルはこう語る。
「額に汗して働かずに指揮だけする人間が現れたときから、争いは始まる。」
一つの国の言葉を80%でも理解するためにはその国の文化を理解する必要がある。しかし外国人にはそんなことは不可能で、それ故に異民族の間の会話には理解できない部分があると矢野徹は語る。
クリス・ネヴィルは自分の思っていることを正しく文章として語ったのだろうか。
矢野徹はクリス・ネヴィルの言葉を正しく聞き取り忠実に日本語に訳してくれたのだろうか。
そして僕はこの文章を正しく理解できるのだろうか。
戦後に日本人がアメリカに行ってもそれほどの非難や差別を受けなかったのは、日系二世たちの貴い犠牲のおかげでもあると矢野徹は語る。
死傷率95%「Go For Broke!」
言葉だけでは信じてもらえず、流れる血でもってしか信じてもらえなかったのである。
コメント