草上 仁
草上仁というと、短編の名手という印象がとても強く、昔は「和製フレドリック・ブラウン」とも言われていたりしたのですが、今の草上仁しか知らない人には信じられない事かも知れません。
そんなわけで、この作家と長編というのがどうしても結びつかなく、この人の長編を読むたびに違和感を感じるのであります。しかもこの人の長編はどれも何故か長い。
まぁ、長くても面白ければ構わないのでありますが、今回の長編はごく平均的な厚さでした。
そんなわけで、この作家と長編というのがどうしても結びつかなく、この人の長編を読むたびに違和感を感じるのであります。しかもこの人の長編はどれも何故か長い。
まぁ、長くても面白ければ構わないのでありますが、今回の長編はごく平均的な厚さでした。
あたしの名前は沢田ゆかり――パパが怪しい業者から掴まされたチョー格安の中古航宙船マリー・セレステをわが家とする、花の女子高生だ。でも、聞いてよ! この船、ちょっと……っていうか、かなりやばい感じがするんだよね。だって業者のお姉さんは肝心な質問になると話を逸らすし、パパは詐欺に引っかかるのが得意だし。で、案の定、あたしが船でアホ犬と留守番をしているときに『ほんとにあった怖い話』の幕が切って落とされたの!!
というのが出版社の紹介文、「明るいB級ホラー」ということらしい。
作者が草上仁でなかったならばおそらく買わなかっただろう。
正直、話の後半まではそれなりに笑える内容ではあるものの、たいして面白い話ではなかった。しかし……出版社の紹介文に騙されてはいけない、いや騙されて欲しい。
一体全体、どうしてこんな話になるのだ!!
端々で見せる論理の冴えも相変わらず素晴らしい。草上仁ファンなら買え!
コメント
はじめまして。
草上仁を検索してましたら、こちらにたどり着きました。
この本、知りませんでした^^;
やっぱり長編なんですね。わたしも草上仁は「短編の名手」のイメージが強いです。ちゃんとチェックをしていないせいでしょうけど、最近短編は、アンソロジーでしか見ていないような…。
でも「ファンなら買え!」とのことですので、買おうと思います(笑)。
おのりさん、はじめまして。
長編も良いのですが、やっぱり切れ味のある短編を読みたい物です。
本になっていない短編はかなりあるようなのですが、短編集は売れな
いのでしょうかね?