その昔、Futurewaveという会社がCelAnimatorというソフトを開発し、ベータ版としてウェブ上で発表しました。
当時、ブラウザー上でアニメーションを行おうとするのであれば、アニメーションGIFを使うか、Macromedia社のDirectorを使うか、JAVAを使うしかありませんでしたが、複雑なアニメーションをさせるためには当時としては膨大なデータ量が必要でした。
そんな中で、CelAnimatorはベクトルベースのグラフィックを使うことでデータ量を激減させることに成功していたのです。
やがて、CelAnimatorはFutureSplashと名を変え、製品として発売されました。純粋なアニメーションソフトとしてだけではなく、単純ながらもインターラクティブなページを作ることが出来るようになっていました。インターラクティブなページを作ろうとするのであれば、MacromediaのDirectorを使うしかない時代、むろんJAVAという選択肢もありましたが、当時のJAVAはコーヒーの湯気をゆらゆらと揺らすので精一杯といったところでしたから、Directorよりも安価で簡単なFutureSplashは、CelAnimatorを注目していた人たちにとっては画期的なソフトだったのです。
最初はそれほど評判にはならなかったのですが、やがて、Macromediaに最大のライバル現るとまで表されるようになりました。
両者がそれぞれの技術を競い合い、それぞれのソフトがすばらしいものになっていくものだと思っていましたので、Macromedia社がどう出るかと注目していたのですが、ある日あっさりと終止符が打たれてしまいました。
そう、Macromedia社はFuturewave社を買収してしまったのです。そして今のFlashができあがりました。
Adobe社がMacromedia社を買収というニュースを見て、そんな昔のことを思い出しました。
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