こうして読む本がふえていく(下)


で「首切り坂」です。
いちおう始めから謎らしきものは語られるのだけれども、それが解かれなければならない謎なのか判らないまま話は進みます。
そして全体の3分の2を過ぎたあたりでようやく事件らしい事件が起こるのですが、この本、230ページしかありません。
これがおなじく、なかなか事件の起こらなかった「陰摩羅鬼の瑕」のように分厚ければ構わなかったのですが、「首切り坂」のように少ないページ数の場合、非常に心配になってきます。
探偵が最後に登場してあっというまに解決して終わりっていうパターンが嫌いなのです。
結局、謎そのものはシンプルだったおかげで嫌いなパターンにはならなかったのですが、謎を楽しむというよりも雰囲気を楽しむタイプのミステリーだったようです。
最初の数ページを読んで文章が気に入った人にはお勧めです。
で、「キルケーの毒草」をようやく読んでいるわけです。

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