前作はちょっとタイトルがあれ、でも嫌いな話じゃなくってあれはあれで悪くないよなあと思いつつもなんだかちょっと感想が書きづらかったのでそのままにしてしまっていた。
で、今回はそうじゃない。といってもタイトルのマジョロミってなんだ、と思うわけなんだけど。
主人公が気がつくとそこは学校だったけど、主人公以外の生徒や先生は眠っていて、どうやら起きているのは主人公だけらしい。と思ったところで彼のことを先輩と呼ぶ後輩の女の子が現れる。彼女の頭にはちょうど両耳の上くらいの位置に羊の角らしきものがくっついていて、それが髪飾りなのかそれとも本物の角なのかは定かではない。
しかし彼女の話ではこの世界で目が覚めているのは二人だけで、しかも他の人達が眠ってしまったのは彼女のせいで、主人公も眠ってしまっていたけれども、彼女が起こしたというのだ。
少しずつ世界が終わりに近づいていくような予兆のなかで、なにが起こってそして何が起ころうとしているのかが少しづつ明らかになって、それは今までの阿部洋一の世界と雰囲気は同じで、ああこれはかつて訪れた世界なのだと思わされる。
そして決定的な出来事が起こって、そして紙面も尽きるのだが、もちろんそこでこの物語が終わったとしてもそれはそれでひとつのきれいな形なんだけれども、この本にはタイトルの隣に1という数字がついている。このあと一体どうするつもりなの。
コメント