場所の幽霊を見ることができる男と音の幽霊を聴くことのできる少女。
しかしできるというのは少し語弊があるだろう。彼らはそれをしたくてできるのではなく、できることならばそんな能力などないほうがいいと思っているからだ。自ら望んでもいない特別な力を持ったふたりだが、一巻ではまだ二人が出会ってそしてお互いの苦しみを共有したあたりまでしか描かれてはおらず、その先どういう展開をしていくのかは不明なのだが、物語はシームレスに地続きで進んでいき、エピソードのなかでさりげなく登場した人物に後々に焦点があたっていったりと、それはまるで真っ白なキャンバスに絵の具を塗り重ねていくかのような感じで、読み進めていくごとに厚みがましていくのではないかと思うのだが、それはあくまでこの巻だけで次からはまた違う展開をしていくのかもしれない。
と思ったんだけど、表紙をよく見たらナンバリングがされていない。
はたして続きが描かれるのだろうか。
『いまかこ』松浦 だるま

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