ラジオ番組を題材とした物語が好きだ。
小説でいえばさだまさしの『ラストレター』や、若竹七海の『みんなのふこう』。いとうせいこうの『想像ラジオ』も含んでもいいかな。漫画だと沙村広明の『波よ聞いてくれ』や、水谷フーカの『満ちても欠けても』、短編だけど百名哲の「聴こえてくる歌」。
この本もラジオ番組を題材とした物語ということで興味が出て読んでみた。先に上げた作品と異なるのは、実在するラジオ番組を扱っているという点だ。あいにくとどれも僕は聞いたことがなかったので、その部分での面白さは味わうことができなかったが、まあそこはおまけみたいなものだろう。
少し残念だったのはラジオ放送が主体ではなくそれぞれの物語での主人公自身の物語が主体で、ラジオ放送はその登場人物たちの人生の中でほんの僅かがが介入してくるというところだった。もう少しラジオ放送がメイン、というか放送する側の物語だったらよかったのに。
とはいってもそれはあくまで僕の勝手な期待であって、そこを除けばそれぞれの人生の物語は面白い。そうだねえラジオは面白いんだよ。
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