『ケムリが目にしみる 2』飯田ヨネ

ついこの間、1巻が出たばかりだというのにもう2巻が出て早いなと思ったらこの巻で完結してしまいました。
まあ話としては1巻からしてどういう方向へと向かっていくのか定かではない部分もあったのだが、じゃあ、とりとめもなく終わってしまったのかといえばそんなことはない。
というか徐々に主人公のタバコを吸う場面が少なくなっていって、タバコを吸うということそのものは僕が考えていたほど物語の主軸ではなかったことに僕が少しばかりがっかりしただけにすぎない。
前巻の終盤で主人公がようやく仲の良くなることのできた同僚が海外にしばらくの間、赴任することになってしまい、そこから主人公の自分自身を見なおす展開となるのだが、その一方で同僚の元恋人とも仲良くなる。
しかしそこから恋愛へと向かっていくかといえばそうでもなくって、そのあたりは登場する人物全員が何らかの形で自分自身に対しての負い目というか自分の弱さを理解しつつもそれを克服しきれないでいるという構図が物語をそういう方向に進ませようとしないのだ。
最終的には全員がいい方向へと向かっていくので後味はよく、終わってみればああ、そういう物語だったのかと全体を見晴らすことができて、こういう雰囲気はいいなあ。

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