少しづつ世界の幅を広げている『BEASTARS』の世界だけれども、一方でそんなに広げまくって破綻してしまうんじゃないかという不安もあったりする。今回はなんとこの世界の歴史までその世界を広げていって、ひょっとするとSFになるんじゃないかと思ってしまったりしたけれども、今のところはそうでもない。ここでいうSFというのはどこかで現在の僕たちの世界とつながるんじゃないかという意味においてだけれど。
『BEASTARS』の世界の歴史まで描いて、それはあくまで一部でしかないけれども肉食動物と草食動物の歴史的な意味合いと共存という仕組みの部分を、時間軸という縦の世界で描くということがこの先にどういう展開に結びつくのか、あるいは結びつかないのかはわからないが、ひょっとしたらそろそろこの物語の着地する地点という部分に明確な地点を選んだのかも知れない。
それはさておいて、様々な方向へと世界を広げていきながらも破綻せずに世界を構築して行く手さばきは読むたびに殴られているかのような感覚でもあり、まだしばらくはこの心地よい殴られ具合を堪能したい。
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