ちくま文庫が現代マンガ選集ということで文庫で漫画の選集を出してきたとなるともう買うしかない。
初っ端は中条省平による表現の冒険をテーマにしたアンソロジーだ。
そもそも表現の冒険とはなんなんだろうか。まあそこは実際にこの本を読んで見ればわかることだ。
で読んでみるとこれまた見事なまでに読んだことのない作品ばかり。いや作家としてみれば読んだことのある作家はあるけれど、収録された作品のなかで読んだことのあるものは数えるばかりだった。
表現の冒険と名付けるだけあってどの作品もそれ以前には存在しなかっただろうと思える表現手法で、漫画における表現の多種多様にお腹がいっぱいになる。続けて読むと胸焼けしそうなところが唯一の欠点かもしれない。
自分だったらこれ以外になにを選ぶかとか考えてみたのだけれどもあまり思いつくものがなく、そんななかで手塚治虫の作品がないよなあ、火の鳥なんかではコマ割りの面白い物があったとおもうけれど、まああれは長編だから無理かと思いつつ解説を読んで、なるほどそういうことかと腑に落ちた。
このシリーズ、毎月刊行で12月まで続くので楽しみです。
コメント