血のつながった弟を好きになってしまった姉。
彼女はその弟を連れ出し無免許で車を運転しそして事故を起こしてしまう。
その結果彼女の家族は崩壊し両親は離婚、弟とその双子の妹は母親に、自分は父親と共に暮すこととなる。
やがて成人となった彼女はそれ以来友達も作らず一人孤独なままに一人っきりの生活をするのだがその罪の意識はそれだけでは終わらず、仕事の同僚と体だけの関係を持ち続けている。
そんなある日、彼女のもとに弟が訪れたことからこの物語は始まる。
禁断の愛、と書くと様々な方向の物語が頭によぎるのだが、この物語の主人公たちの時間は止まったままだ。姉弟はともに相手のことを好きなのだがその一方でそれがいけないことを知って、それ以上には進もうとはしない。節度あるといえばそうなのだが、その二人をとりまく他の人物、弟の双子の妹と姉が体だけの関係を持った同僚。その二人が異常で姉弟のささやかな平穏を壊し始める。
いやまさかそんな展開になるのかと、そもそもタイトルが「わるいあね」で姉の存在が物語の駆動、そして姉弟の葛藤の中心となるかと思っていたら、妹と同僚の二人が強烈な存在となって物語を壊しにかかる。
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