はたしてこれはどんな物語になるんだと読みながらいろいろと思っていたのだが、おお、そうかそういうことだったのか。
ということで読み終えてもう一度1巻から読みなおしてみた。
というのもかなり手の混んだ複雑な話で、そもそも1巻からして主人公の視点の物語と、主人公が出会うもうひとりの主人公の物語とが並行して語られてそれがどういうふうにつながっていくのかなかなか見えないままに最終巻まできてしまったせいで、全体のつながりとそしてさりげなく張り巡らされた伏線を確認したくなったからだ。
寝ると行くことのできる不思議な惑星。そこで主人公は一人の少女と出会うのだが、その惑星が尋常ではない世界で表層的にはホラーとして物語が進んでいく。それでいてこの物語そのものが理路整然としていてSF的な要素もあって最終的には大枠の物語の謎はきれいに収束していく。その収束の具合が遠大というか、何をどう書いてもネタバレになってしまうのでここでは書かないのだが、物語が終わってエピローグかと思った部分からの展開が本領発揮でSFとしてもそうだがホラーとしての面白さと怖さも残したまま物語を終わらせているので、いやこれはすごい。
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