中断したままになっていた冬目景の『黒鉄』も「改」とついて続きが描かれて3巻まできました。
実質的には続編ですが「改」とついているのは設定に多少の変更があったからのようですが、多少なので実質的には問題ありません。
そもそも主人公は一度死んでカラクリの力を得て蘇ったという設定ですが、蘇ったからといってなにか目標があるわけでもなく、流れるままに旅をして、そして旅の途中でかかわった人たちの揉め事に巻き込まれるというのがこれまでの展開ですから、今回もそんな感じです。
そういう意味では物語はどの段階で終わっても不思議ではないし問題ないといえば問題ないのですがそれでもなんらかの盛り上がりを見せてもらったほうが読む側としてはありがたいものです。
その点でいうと新シリーズでは主人公にいくつか設定の改変があったおかげで、いろいろと主人公も大変な目にあいます。前巻では片腕が奪われて、というか持っていかれて今回は片手のままで通しています。さらには喧嘩仲間の丹が死んだということを知った瞬間、闇の世界に取り込まれてしまうというありさま。もっとも闇に取り込まれるのかそれとも、一度死んであの世に行って、そして戻ったことでどこかで死後の世界とつながったままの状態なのかもしれないのですが、主人公自身にもなにかしらの秘密が追加されている感じでもあります。
そんなわけで冬目景の漫画としては戦いの場面があったりと派手な物語になってはいるのですが、それでもやっぱりどこかした冬目景の独特の時間の流れのようなものがあって、読んでいると心地よいのです。
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