タイトルはあまりにもベタすぎるのでどうかと思うのだけれど、タイトルに偽りなしの内容なのでタイトルを見て琴線に触れたのならば読んで損はない。
なにしろこの世界はエーテルで満ちている。
エーテルが存在している宇宙というだけで、もうじゅうぶんにワクワクしてくる。
エーテルに満ちた宇宙となるとエドモンド・ハミルトンのキャプテン・フューチャーの世界で、レトロフューチャーの世界だ。
こんな世界を漫画として描くとなるとまっさきに思い出すのが伊東岳彦の『宇宙英雄物語』で、これまでのところ『宇宙英雄物語』を超えるレトロフューチャーなスペースオペラの漫画は存在しなかった……と個人的には断言したい。唯一の例外は『OUTLAWSTAR』なのだがこれも伊東岳彦の作品だ。残念なことに三巻まで出たところで連載が中断してしまい、それ以降は未だに描かれることはない。
というわけで、どうしても『宇宙英雄物語』と比較してしまうというのが個人的な気持ちで、比較してしまうとやっぱりがっかりしてしまう部分がある。
『宇宙英雄物語』と比べると上品で整っている。主人公が女性という部分が現代的ともいえるのだが、麻宮騎亜の作品は女性が主人公の作品が多いのであえて狙ったのかどうかはわからない。
とはいえどもまだ一巻である。この先どうなるのかという部分もあるのだが、一連の物語としては一冊で一段落してしまっているので一巻では世界設定と主人公たちの顔見せといったところだろうか。
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